「前例のない回復」を遂げた広告業界・・・レポート「Media Moments 2021」

メディア界のニュースや見解を紹介している「Media Voices」と「What’s New In Publishing」は、2021年のメディア業界の動向をまとめたレポート「Media Moments 2021」を発表しました。前回のプラットフォーム編に続き、今回は、広告編をご紹介します。 ここ数年、広告…

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メディア界のニュースや見解を紹介している「Media Voices」と「What’s New In Publishing」は、2021年のメディア業界の動向をまとめたレポート「Media Moments 2021」を発表しました。前回のプラットフォーム編に続き、今回は、広告編をご紹介します。

ここ数年、広告収入よりも購読者収入の方が安定した収益基盤を築けるということから、多くのメディアが購読者課金モデルへの移行を進めてきました。特に新興企業は、3社(Google、Facebook、Amazon)独占状態が続き、コロナ禍の影響で壊滅状態にあるデジタル広告市場から距離を置こうとしていました。

しかし、2021年に入り、広告業界は素晴らしい回復を遂げました。コロナ危機が2020年の広告売上を大幅に下げたことから、その後の回復はある程度予想されていたことですが、その数字には目を見張るものがありました。

前例のない回復

英国のメディア業界誌「プレス・ガゼット」は10月、ウェブマガジンが英国の広告回復をリードし、2021年の支出はパンデミック前の水準を上回ることになると報じました。英国の雑誌ブランドのオンライン広告は、2021年第2四半期に、同国初のロックダウンを実施した2020年第2四半期と比較して156%の回復を見せたようです。2020年1月から6月と今年の同期を比較すると、雑誌ブランドのデジタル広告費は78%増となり、主要メディア分野の中で半期として最大の回復を見せたとのことです。雑誌ブランドにおける印刷物とオンラインを含む総広告費は、第2四半期に92%、上半期に28%の伸びを記録し、年間成長率は全体で22%、オンラインでは42%になると予想されています。


《Kasumi Matsumoto》

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