Web3.0をメディアにどう取り入れるか、イード土本執行役員・・・メディア業界2022年に向けて(1)

今年もメディア業界は様々な事がありました。Media Innovationではいつもお世話になっている業界関係者の皆様に「2021年の振り返りと、2022年のメディア業界」というテーマで寄稿をお願いしました。年始にかけて順次掲載して参ります。いろいろな振り返りから、皆さんが…

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Web3.0をメディアにどう取り入れるか、イード土本執行役員・・・メディア業界2022年に向けて(1)
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今年もメディア業界は様々な事がありました。Media Innovationではいつもお世話になっている業界関係者の皆様に「2021年の振り返りと、2022年のメディア業界」というテーマで寄稿をお願いしました。年始にかけて順次掲載して参ります。いろいろな振り返りから、皆さんが2022年を考えるきっかけにしてもらえればと思います。

トップバッターは僭越ですが、Media Innovationの運営母体の株式会社イードで執行役員 メディア事業本部長を務める土本より始めさせていただければと思います。

土本 学
株式会社イード 執行役員 メディア事業本部 本部長
幼少期からインターネットに触れ、学生時代に立ち上げたゲームメディアを売却して現イードにジョイン。メディア事業の責任者を務めるほか、M&Aや提携などにも携わる。グループ会社のエンファクトリー、リンクの取締役も兼任。Media Innovationの責任者でもあります。

今年のご自身の仕事を振り返っていかがだったでしょうか?

Media Innovationではさほど大きな展開ができませんでしたが、チームメンバーが加わり、安定的に記事が提供できるようになったのは前進だったかもしれません。2022年はリアルの活動も復活して、当初の目標だった、メディア業界にコミュニティを作っていく、というのを実現したいと思っています。

本業の方では、引き続きメディアの360度でのビジネスモデルを模索した年だったと思います。10月には進学相談イベントを開催するリンクを子会社化して、自分も取締役に就任しました。教育関係はDXがまさに進んでいる段階で、リンクでもオンラインとオフラインを繫ぐような提案ができればと思っています。エンタメ関連では、エンタメプリントをリリースして映画チケット付きのブロマイドという新提案ができました。年末にはウィザードリィのゲームをSteamでリリース。メディアのレーベルでパブリッシングが今後できたら楽しそうだなと思っています。

今年一番注目した出来事は何だったでしょうか?

多くの人が言及するようになっていますが、Web3.0は確実に来る未来だと思っています。今年一年間はずっとブロックチェーンを追っていました。まだアウトプットできていませんが、自分の仕事をWeb3.0に変えていくのが2022年の重要なポイントではないかと思います。

Web1.0はRead、Web2.0はRead/Write、Web3.0はRead/Write/Trustだと自分は整理していますが、ブロックチェーンによってTrustが担保される事でエコシステムやコミュニティが生まれ、経済圏になっていく。ブロックチェーンはビットコイン(トークン)を生み、Defi、NFTなどを作り出しました。これらを使ってDAO(自律分散型組織)が実現しました。誰でも貢献可能で、貢献に応じて報酬が得られ、出入り自由の組織、「株式会社」という発明が経済を飛躍させたのと同様に、21世紀はDAOが作り出していくという飛躍すらも感じます。

ということで、人間関係(所属)をベースとした組織から、貢献をベースにしたDAOへと、Media Innovationも変わっていけたら面白いなあと思っています。日本の法体系での制約は当然ありますが、考え方をどんどん取り込んでいく事が重要ではないかと思っています。

2022年への意気込みを聞かせてください

前述の通り、2022年はブロックチェーンが生み出したエコシステムに自分や自分たちをどう位置づけていくかが重要になっていくと思っています。

それは同時に、新型コロナウイルスがもたらした変化を緊急対応ではなく、どう平時に落とし込んでいくか、という事に繋がっていくのではないかと思います。

メディア業界で言えば、働き方に大きなインパクトをもたらしました。オフィスはもはや常識ではなくなり、地域を超えて才能を集結させる(バーチャルに)事ができるようになりました。その世界では人間関係ベースではなく、貢献ベースでの評価が必要になるでしょう。すなわち、DAO的な世界観に近づいていく事になります。

メディア作りにおいても、Web2.0のCGM的なものを超えて、発信者と読者の関係は曖昧になり、入り口(人間関係構築)が緩くなり、能力のある人、良いものを作る人、がどんどん発信者として参加できるようになっていくと面白いのではないかと思います。ちょっとまだ飛躍が必要ですが、そんな事に取り組める2022年にしたいと思います。

《Manabu Tsuchimoto》

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Manabu Tsuchimoto

Manabu Tsuchimoto

デジタルメディア大好きな「Media Innovation」の責任者。株式会社イード。1984年山口県生まれ。2000年に個人でゲームメディアを立ち上げ、その後売却。いまはイードでデジタルメディアの業務全般に携わっています。

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