本記事はThe Conversationに掲載された、オーストリアのRMIT Universityでジャーナリズムを専門とするAlexandra Wake教授による記事「9 reasons you should be worried about the closure of BuzzFeed News inAustralia」をCreative Commonsのライセンスおよび執筆者の翻訳許諾の下、掲載するものです。
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オーストラリアでのBuzzFeedのニュース事業の撤退は、広告スポンサー型メディアの崩壊を示す何よりの証拠です。
また、主要なメディア事業者が一極集中しているオーストラリア市場を変革するという野心を持って2014年に発足した組織にしては悲しい終わり方です。
以下では、ジャーナリズムを大切に思うオーストラリア人と民主主義国家に生きる私たちが知っておくべき9つのことを示します。
目次
1. オーストラリアで苦戦したオンラインメディアはBuzzFeedだけではない
例えばHuffPostは当初順調な滑り出しを見せていましたが、その後多くの困難に直面することになります。また、The Global MailやThe Hooplaといった他の会社は、すぐに事業撤退を余儀なくされました。
一方で、現在も存続しているデジタルサービスもあります。2000年に登場したCrikey、Mamamia(2007)、The Conversation(2011)、Guardian Australia(2013)、The Saturday Paper(2014)、The New York Times(2017)などがその例です。
2.人気のバイラルコンテンツと優れたジャーナリズムを共に発信することにより、BuzzFeedはズレを生み出した
BuzzFeedは人気でかつ質の高いジャーナリズムを保有しているため、同社は米国のピューリッツァー賞とオーストラリアのウォークリー賞にノミネートされました。しかし一方で、同社は同時に信頼の獲得に苦戦していました。 2019キャンベラ大学デジタルニュースレポートの調査によると、当時BuzzFeedはオーストラリアで最も信頼されていないニュースブランドでした。
3.しばらく不安定な状態にあった
BuzzFeedは世界的な支出抑制という流れの中で、2019年1月に全世界で約200人のスタッフを削減しました。BuzzFeed Australiaでは、当時40人のスタッフのうち11人が削減されました。