今年度の最終利益が1兆円を超え、過去最高益となる予想を発表したソニー。ビジネスは祖業の家電から大きく広がり、金融、ゲーム、音楽など多岐に広がりますが、最近特に注目されるのがアニメです。アニプレックスはゲームの「FGO」で大きく稼ぎ、今度は「鬼滅の刃」の大ヒットがありました。
毎週実施しているライブ番組「Media Innovation Live」にて「ソニーの世界戦略に影響を与える『鬼滅の刃』の意外な効果とは」と題して、株式会社コンテンツジャパン代表の堀鉄彦氏が、ソニーの海外配信戦略などについて解説しました。
(聞き手: 株式会社メディアインキュベート 浜崎正己代表)
記事では動画の内容をテキストでもお届けします(そのまま書き起こしたものではありません)。
目次
世界的なネット視聴へのシフト
堀: 日本のコンテンツはすごいとクールジャパン戦略ではよく言われていますが、海外でのアニメ事業は、今までそれほど拡大していませんでした。そうした状況の中、今回、「『鬼滅の刃』でソニーのコンテンツ海外配信が加速されそうだ」という記事がフィナンシャル・タイムズに掲載されていて、よく読んでみると、今回の動きは、本物になるかもしれないと思いました。

1月19日には、ネットフリックスの決算が発表されました。会員も2億人を突破し、非常に好調でした。アメリカでは、ケーブルテレビからストリーミングサービスのOTTへ乗り換える動きが加速していて、ネットフリックスもその流れに乗っているという感じがします。
このように、世界的に電波からネット視聴に切り替わっている、ちょうどいいタイミングだったので、今回は、ソニーの海外配信戦略を取り上げてみようと思います。