昨年の大統領選挙でも、大きな党派対立や、誤った情報を強力に拡散する装置となったという批判がされていたFacebookですが、政治的コンテンツをニュースフィードから削減していく方針で、複数の国で実験を開始するとしました。
1月末の決算発表のカンファレンスコールにてフェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグ氏は「私達がコミュニティから一番多く得ているフィードバックの一つは、彼らが政治や対立が私達のサービスを占拠するのを望まないということです」と述べ、政治的なコンテンツのあり方について検討を行っている事を示唆していました。
Facebookでは大統領選挙を前に、ユーザーに対して市民団体や政党をレコメンドする事を停止していました。ザッカーバーグ氏によればこの措置は今後も継続され、世界のユーザーに拡大されるということです。ザッカーバーグ氏はFacebookで人々が政治について議論する事は尊重するとしながらも「温度を下げる」必要があると述べました。
さらに同社は、ユーザーが最も触れるニュースフィードにおける政治的コンテンツの表示量について実験を行っていくと表明。今週からカナダ、ブラジル、インドネシア、来週からアメリカでもごく一部のユーザーに表示される政治的コンテンツの量を一時的に削減します。同時に政治的コンテンツなコンテンツを様々な要素からランク付けして、表示量をコントロールするアプローチについても検証していくとのことです。
この措置はCDCやWHOなどの権威ある保険当局、国や地域の公的機関からの新型コロナウイルス情報、政府機関からのコンテンツなどには適用されないとのこと。
フェイスブックによれば、政治的コンテンツはFacebookで閲覧されているコンテンツの約6%しか占めていないとのことですが、アルゴリズムでの制御はユーザー体験を損なう可能性もあるとして、ニュースフィードで優先されるユーザーやページを選択できる「お気に入り」や、表示内容を制御できる「ニュースフィードの設定」、あるいは政治広告をオフにする機能などの活用も推奨するとしています。