Media Innovationの4月特集は「パブリッシャーのためのNFT入門」と題して、いま注目されるブロックチェーンを活用したNFT(ノンファンジブルトークン、非代替トークン)について取り上げます。4月28日には豪華メンバーをお招きしたオンラインイベントも開催予定です。
NFTを使ったブロックチェーンゲームとして世界最大のDAUを誇った『MY CRYPTO HEROES』を運営するdouble jump.tokyoや、NFTのマーケットプレイスとして世界最大のOpenSeaなど、この領域に積極的に投資を行っているのがゲーム会社のgumiです。
米国サンフランシスコに立ち上げた投資ファンド「gumi Cryptos Capital」では約30億円の資金でこれまでに29社に投資。株式だけでなくトークン自体にも投資できるという特徴から、有力なプロジェクトへの投資に成功してきたと言います。同社でブロックチェーンへの取り組みを陣頭指揮する、創業者で取締役会長の国光宏尚氏にお話を伺いました。
―――ブロックチェーン領域への投資が非常に上手くいっているように見えます。具体的にどういった企業に投資されているのでしょうか?
特に重点的にみているのは「金融」「周辺領域」「NFT」です。金融はいわゆるDeFi(分散型金融)と呼ばれる領域です。周辺領域というのは、ゴールドラッシュ時にツルハシやジーパンが売れたと言われるようにブロックチェーンの脇を固める税金計算ツールなどの領域です。
NFTは更に3つあると思っていて、「コンテンツ」「マーケットプレイス」「プラットフォーム」です。
コンテンツはNFT自体を提供するプレイヤーで、ゲームのdouble jump.tokyoや、gumiが同じく投資している「フィナンシェ」もここに該当します。
マーケットプレイスはNFTの発行や流通を担うプレイヤーです。世界最大のNFTマーケットプレイスになったOpenSeaや、大谷翔平などMLBの公式カードにも使われたWAX、3LAUなどを扱っているOriginなどがあります。
最後のプラットフォームは新しいブロックチェーンを提供しようとするプレイヤーです。NFTの世界ではイーサリアムが主に使われていますが、そのガス代(手数料)が高騰しているという問題があります。そこで低コストで使えるチェーンを開発しているSpacemeshやAGORICにも投資をしています。
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目次
なぜNFTはこんなにも注目されるのか?
―――いまNFTにこれだけ注目が集まっているのは何故なのでしょうか?
まず空前の量的緩和によって余った資金が投資に回って仮想通貨のマーケットが活況になった事が前提としてあると思います。昨年ビットコインは10倍近くになりました。ビットコインの時価総額は120兆円くらいですので、ビットコインを持っていた人達の資産が1年間で100兆円くらい増えた事になります。
それが次に向かったのがイーサリアムで、イーサリアムはスマートコントラクトでプログラムが出来るのが特徴です。DeFi(分散型金融)に去年は資金が向かって、イーサリアムも高騰しました。今は他の仮想通貨も軒並み値段が上がっていて、資産を増やした人たちの次の投資先としてNFTが脚光を浴びている、ということだと思います。
年始から、ジャック・ドーシーの最初のツイートが3億円で売れたり、ビープルというアーティストのデジタルアートが75億円で売れたりという事が続いてますます注目が高まりました。非常に高額ですが、仮想通貨を持っている人たちの資産が膨れ上がっている事も背景にあると思っています。
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―――それにしても冬の時代が長かったですよね