米有力紙、ワシントン・ポストは、6月1日付でサリー・バスビー氏(55)が編集主幹に就任することを発表しました。設立から140年以上の歴史の中で、初めて女性が編集部門のトップを担うことになります。
バスビー氏は、1988年にAP通信に入社し、アメリカ政治や中東の情勢などの取材を通して30年以上のキャリアを積み重ねてきた女性ジャーナリストです。
ワシントン・ポストのCEOで発行人であるフレッド・レイン氏は「サリー・バズビーは国際的なニュース組織で数々の実績と豊富な経験を持ちます。アメリカで最高のジャーナリストを探す中で、サリーこそがワシントン・ポストを次の時代に導く最適な人物だと確信しました。彼女は誠実で、精力的で、民主主義を守るジャーナリズムへの献身的な仕事ができます」と述べています。
米国内では、長年にわたってジェンダーや人種の多様性が叫ばれ、ジャーナリスト全体の多様性は高まりつつあった一方で、その流れが上層部やリーダー層には十分に浸透していなかった状態がありました。しかしながら、近年、ロサンゼルス・タイムズ紙編集長に黒人のケビン・メリダ氏が、ニューヨーク・タイムズ紙編集長には同じく黒人のディーン・バケ氏が就任するなど、変化の兆しが見えます。