ワシントン・ポスト、暫定CEOにジェフ・ドノフリオ氏 大混乱の中、財務畑の元Tumblr CEO

・ワシントン・ポストがCEOと発行人の交代を発表し、経営危機の中で変動期に入る
・財務悪化や読者離れに加え、大規模なリストラとコンテンツ縮小が進行中
・暫定CEOのドノフリオ氏は財務管理経験を活かし、経営再建と読者維持に注力する

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ワシントン・ポスト(Photo by Matt McClain/The Washington Post via Getty Images)

米ワシントン・ポストは2026年2月7日、ウィリアム・ルイス氏がCEO兼発行人を辞任し、後任の暫定CEOに最高財務責任者のジェフ・ドノフリオ氏が即日就任したと発表しました。ルイス氏の辞任は、同紙が全従業員の約3分の1にあたる大規模な人員削減を実施してからわずか3日後の事で、創刊から約150年を数える米国有数の報道機関は、経営・編集の両面で激しい変動期に入っています。

ルイス氏は社内向けのメモで、2年間の在任期間を「変革の2年」と位置づけ、持続可能な将来のために困難な決断を下してきたと述べていました。ただし、その在任中に同紙の財務状況が好転した形跡は乏しく、2022年に約1億ドル、2023年に約7,700万ドルの損失を計上し、過去2年間の累積損失は1億7,700万ドルに達したと報じられています。デジタル購読者数も2021年のピーク時に約300万人だったものが約250万人へ減少し、2025年には紙の購読者数が55年ぶりに10万部を割り込む事態となりました。AIの台頭によるオーガニック検索トラフィックの減少も深刻で、過去3年間でほぼ半減したとエグゼクティブエディターのマット・マレー氏がスタッフへの書簡で明かしています(Poynter)。

2月4日に実施されたレイオフでは、スポーツ部門と書評部門が事実上廃止され、主力ポッドキャスト「Post Reports」も制作中止となりました。地方報道のメトロデスクも大幅に縮小され、エルサレム、カイロ、ソウルなど複数の海外支局が閉鎖されています。当初の報道ではニュースルームの約3分の1にあたる300人超の削減とされていましたが、ワシントン・ボルティモア・ニュースペーパー・ギルドの組合代表によるその後の集計では、非組合員の海外特派員や管理職を含め350人から375人が対象となり、削減率は790人体制の44%から47.5%に上る可能性があるという事です(Washingtonian)。


《Manabu Tsuchimoto》

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デジタルメディア大好きな「Media Innovation」の責任者。株式会社イード。1984年山口県生まれ。2000年に個人でゲームメディアを立ち上げ、その後売却。いまはイードでデジタルメディアの事業統括やM&Aなど。メディアについて語りたい方、相談事など気軽にメッセージください。

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