株式会社電通グループのR&D組織「電通イノベーションイニシアティブ」が、Web3時代に向けたテレビコンテンツ領域における新しいファンエコノミーを模索する取り組みの一環として、NFT利活用スキームによる新たなクリエイターエコノミー形成に関する実証実験「ghost Link」を開始すると発表しました。
この実証実験は、朝日放送テレビ株式会社(以下「ABC」)、株式会社3RD GEAR、株式会社セプテーニ・インキュベート、シビラ株式会社、ソニー株式会社、ISI-Dentsu of America、Infinite Objects(以下「IO」)の7社と共同で実施されます。
目次
実証実験「ghost Link」とは
今回8社共同で実施する実証実験は、ABC制作のVRドラマコンテンツ「TOKYOCASE」に登場するメインIP(知的財産権)である「怨霊マガツヒ」について、NFTを用いて行うものです。「TOKYOCASE」は、2022年10月からMeta Quest TV(Meta Quest2アプリ)で世界配信されているドラマです。
本実験では、全面的な二次創作が可能となるクリエイター向けNFTを発行し、NFTの保有者に対して、自由な翻案、編集を認め、制作・複製・配信などの権利についても商用・非商用を問わず許諾。対象IPに着想を得たクリエイターによる二次創作の展開を検証することで、テレビコンテンツ領域におけるUGC(一般ユーザーが生成したコンテンツ)の価値に対する適正な評価モデルを検討するとともに、コンテンツの作り手となるクリエイターの発掘を目指すとのことです。
リードクリエイターにメディアアーティスト落合 陽一氏を招聘
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本実験では、映像クリエイターによるIPの二次創作を推進するため、デジタルと質量の関係をテーマとした作品を手がけるメディアアーティスト落合陽一氏をリードクリエイターとして招聘。同氏から創作者視点でのフィードバックを得るとともに、IOとのコラボレーションにより、クリエイターの創作活動を積極的に支援していくとしています。
また、シビラのコントラクトウォレットとソニーのハードウェアウォレット(非接触ICカード技術「FeliCa(フェリカ)」で培った知見をもとに開発したICカード型ハードウェアウォレット)をIOの印刷技術「Video Prints」と組み合わせることで、簡便なユーザー動線の下に、NFT取引の安全性と利便性を両立させる技術についても検証予定とのことです。
「ghost Link」は株式会社電通グループが商標出願中です。