大日本印刷がOpenXと協業 デジタル広告取引でのカーボンニュートラルを支援

大日本印刷株式会社とOpenX Technologies, Inc.は共同で、デジタル広告配信の過程で発生するCO₂排出量を計測し、DNP独自の広告取引経済圏「DNP Marketplace」と組み合わせた、環境負荷の低い広告設計を提案するサービスを始めます。 両社によると、デジタル広告では、…

広告 その他
大日本印刷がOpenXと協業 デジタル広告取引でのカーボンニュートラルを支援

大日本印刷株式会社とOpenX Technologies, Inc.は共同で、デジタル広告配信の過程で発生するCO₂排出量を計測し、DNP独自の広告取引経済圏「DNP Marketplace」と組み合わせた、環境負荷の低い広告設計を提案するサービスを始めます。

両社によると、デジタル広告では、世界のGHG(温室効果ガス)排出量の3.7%、航空業界と同程度の排出量と言われています。デジタル広告の主流になっているプログラマティック広告の過程で、データの処理やコンテンツ配信等でのサーバー稼働、膨大な通信量などでエネルギーを消費しており、特に日本では、広告の配信先やクリエイティブを多様化して広告効果を高める手法により、デジタル広告活動のGHG排出量は年々増加していますが、GHG排出量の計測が難しく、要因の把握や削減方法などの対策が不十分だったとしています。

両社は今回、デジタル広告取引のエネルギー消費量を計測した上でその量を削減、最適化してCO₂削減を目指す広告設計を提案。広告配信にともなう多様な工程やプレーヤーを見直し、配信先媒体やクリエイティブを効果的に絞り込むなど、中長期的にブランディング型の広告設計へシフトすることで、環境に配慮した持続可能な広告活動を目指します。

プログラマティック広告では、広告主のニーズを管理するプラットフォーム(DSP)と、媒体社のWebサイトと広告枠を管理するプラットフォーム(SSP)の間で広告取引を自動で実施。DNPは、Net-Zero SSPプラットフォームのOpenXが提供する「Green Media Product」と連携し、これらで発生する通信量に基づきCO₂の排出量を計測。ここからサプライチェーン全体のCO₂排出量を想定して削減案を提案します。計測は広告案件ごとに行い、毎月のレポート提供とCO₂削減に向けた顧客への継続的支援を行います。両社はデジタル広告のCO₂排出量の計測と、環境配慮型デジタル広告サービスを提供します。

具体的には、ターゲティング広告や、クリエイティブ配信、同じユーザーへの同一広告配信(フリークエンシー)などについて効果を見直し、年間で約10%程度削減。PMP取引は、通常のオープンオークションと比べて大幅に通信量が削減できます。DNP独自のPMP取引「DNP Marketplace」の活用を促進することで、CO₂排出量を抑制し、潜在顧客獲得を支援します。また、削減しきれないCO₂に関しては、各企業・団体が行う炭素除去プロジェクトのカーボン・クレジットを広告主が購入する取り組みで、カーボンニュートラルを目指す設計を提案するほか、国内・東南アジア小学校での出張授業を扱う「DNP Asia Kids Experience」を活用し、脱炭素社会の実現に向けた子どもたちへの啓発施策など、持続可能な企業活動の支援もできるとしています。

《Nakashima Takeharu》

関連タグ

Nakashima Takeharu

Nakashima Takeharu

「佐賀経済新聞」編集長。県内で開催のアジア最大級の熱気球大会では広報・メディア対応とネットコミュニケーションを担当。

特集