日本テレビがスタジオジブリを子会社化へ・・・長らく後継者問題が課題に

日本テレビ放送網株式会社が株式会社スタジオジブリを子会社化すると発表しました。

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日本テレビがスタジオジブリを子会社化へ・・・長らく後継者問題が課題に

日本テレビ放送網株式会社が株式会社スタジオジブリを子会社化すると発表しました。

今年7月、7年の歳月をかけて完成させた宮﨑駿監督の最新作「君たちはどう生きるか」を劇場公開したスタジオジブリ。宮﨑駿監督が82才、鈴木敏夫プロデューサーも75才で、長らく後継者問題が課題となっていました。

これまで、スタジオジブリの継承者として、創業者・宮﨑駿監督の⻑男で、自らもアニメーション映画監督を務める宮崎吾朗氏の名前が何度か候補に上がってきましたが、吾朗氏は「⼀人でジブリを背負うことは難しい、会社の将来については他に任せた方が良い」と固辞してきたことから、スタジオジブリでは経営を任せる候補を巡り、様々に検討してきました。

日本テレビは、1985年に「風の谷のナウシカ」(1984年、宮﨑駿監督)をテレビ初放送して以来、映画番組「金曜ロードショー」を通じてスタジオジブリ作品を放送し続けてきました。「魔女の宅急便」(1989年、宮﨑駿監督)からは映画製作への出資をはじめ、2001年に開館した「三鷹の森ジブリ美術館」の設⽴を⽀援するなど、⻑年にわたりスタジオジブリと歩みを共にしてきました。

子会社化のきっかけは昨年某月、スタジオジブリの鈴木プロデューサーと日本テレビの代表取締役会⻑執⾏役員・杉山美邦氏が顔を合わせる機会にて、鈴木氏から「経営を手伝ってほしい」と申し入れし、対して、杉山氏が「今後もジブリ作品を応援し、ジブリが映画を作り続けられる環境を守ることになるならば」と、前向きに検討することになったといいます。

日本テレビは、国内や海外で多くの人に愛される作品を生み出してきたスタジオジブリをこれまで以上に⽀援していくことが、グループ全体の企業価値向上に資すると考えたことから、スタジオジブリの経営面をサポートする契約を締結した上で、子会社化を決めたとしています。

子会社化で想定されるシナジーとして、経営面のサポートで、スタジオジブリはこれまで以上に「もの作り」 に専念することが可能となり、新たな作品を生み出す土壌ができ、「作品を大事にする」というスタジオジブリの価値観を尊重し続けてきた日本テレビだからこそ、今後もそのブランドの価値を永続的に守り続けていくことができるとしています。

【子会社化後のスタジオジブリの新経営体制】
取締役名誉会⻑ 宮﨑 駿
代表取締役議⻑ 鈴木 敏夫
代表取締役社⻑ 福田 博之(日本テレビ放送網株式会社 取締役専務執⾏役員・日本テレビホールディングス株式会社 上席執⾏役員)
代表取締役副社⻑ 中島 清文
常務取締役 宮崎 吾朗
取締役 杉山 美邦(日本テレビホールディングス株式会社 代表取締役会⻑執⾏役員・日本テレビ放送網株式会社 代表取締役会⻑執⾏役員)
取締役 依田 謙⼀(日本テレビ放送網株式会社 コンテンツ戦略本部事業局イベント事業部 専門部⻑
取締役 村瀬 拓男(弁護士)
監査役 吉江 優介(日本テレビホールディングス株式会社 経営戦略局経営戦略部 担当副部⻑)

《Nakashima Takeharu》

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Nakashima Takeharu

「佐賀経済新聞」編集長。県内で開催のアジア最大級の熱気球大会では広報・メディア対応とネットコミュニケーションを担当。

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