1000万人が愛用するファンダムプラットフォーム、HYBEが展開する「Weverse」はどう進化するか? GMに聞く

BTSなど数々の人気アーティストを擁する韓国HYBEが展開する、ファンダムプラットフォーム「Weverse」。HYBEグループでWeverseの国内展開を行うWEVERSE JAPANの記者会見に合わせて、General Managerのムン・ジス氏にお話を伺いました。

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Weverse Japanのムン・ジスGM
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BTSなど数々の人気アーティストを擁する韓国HYBEが展開する、ファンダムプラットフォーム「Weverse」。HYBEグループでWeverseの国内展開を行うWEVERSE JAPANの記者会見に合わせて、General Managerのムン・ジス氏にお話を伺いました。

ムン氏は2000年に韓国のゲーム会社であるネオウィズに入社、2011年にグループで日本のゲームオン取締役、2018年にネオウィズの代表取締役、2022年にゲームオン代表取締役に就任などゲーム業界と日本でのキャリアが長い人物。スーパーファンを育てる「推し活プラットフォーム」がどのように進化するのか聞きました。

―――ネオウィズ、ゲームオンとゲーム業界でのキャリアが長いと伺っていますが、次の仕事としてWeverseを選んだ理由は何だったのでしょうか?

特にエンタメ業界と決めていたわけではないのですが、ゲーム業界で長くキャリアを積んできて、違う業界にも関心を持っていたところで、ご縁があって、エンタメ業界の中でも非常に伸び代のある仕事だと感じてジョインしました。

―――ゲーム業界での経験はWeverseでどのように活かせると考えていらっしゃいますか?

ゲーム業界の前にはポータルサイトでも働いた事があるのですが、その時から一貫して、ユーザーの声を聞いてサービスを改善していく、ファンの不満を解消していく事で良いプロダクトを作り上げていく、という共通点があり、それはWeverseの仕事でも活かせると思います。

Weverseは単なるコミュニティではなく、ファンの体験はもちろん、データを用いることでアーティストの活動をより良いものにしていこうという思想があり、HYBEだけでなく多くのレーベル(所属事務所)の方々に参加してもらって共存共栄を目指すという部分にも、これまでの経験が活きるのではないかと思います。

―――これまでもアーティストは様々なソーシャルプラットフォームを活用しながらファンと交流してきました。Weverseがそれと決定的に異なる部分は何でしょうか?

Weverseは、ソーシャルメディアとは異なり、スーパーファンのためのプラットフォームです。ソーシャルメディアは、一般的な認知を高めるのに適したツールですが、同時に競争が激しく、疲労度も高い。一方でアーティストは認知獲得のための活動以外にも、自分のスーパーファンは誰なのかを正確に理解する必要があります。アーティストがファンの反応に常に触れる事で、アーティスト活動も一方向の押し付けではなく、ファンの気持ちを理解してより良いものに変えていこうという形に変化しています。ファンの気持ちを知れる場というのはアーティストにとっても有り難いものなんです。スーパーファンは一般大衆とは異なるニーズを持っており、コミュニケーションの在り方も、一般大衆とのそれとは異なるべきものです。アーティストを応援したいという強い気持ちを持つスーパーファンを主な対象に言語翻訳機能をはじめとした包括的なサービスを提供しているWeverseは、今あるプラットフォームの中でも最高のツールだと思います。

また、単にコメントや反応を見るというだけではなく、テクノロジーを活用してデータとして理解する、という点にも力を入れています。ファンがWeverse上でどのように行動し、コンテンツに対してどのような反応をしたか、といったデータはレーベルに共有しています。たとえば、このライブにはポジティブな反応があった、この企画には期待した反応には達しなかった、といった分析から次に繋げてファンにより良い体験を提供していこうということです。

―――HYBEの全体戦略の中で、Weverseはどのような存在でしょうか?

HYBEは音楽に基づいた世界最高のエンターテインメントライフスタイルプラットフォーム企業を目指しています。。ファンに多様な体験を提供しながらアーティストが世界に羽ばたいていけるように様々な機能が集結しています。その中でWeverseは、アーティストとファンを繋ぐ架け橋であり、ファンに多様なサービスをワンストップで提供し、スーパーファンを増やしていくという重要な役割を担っています。

また、音楽レーベルとしての役割に加えて、もっと幅を持たせて、エンターテイメントの総合プラットフォームとして業界全体を成長させるような存在になりたいと思っています。そのために、WeverseはHYBE LABELSのみならず様々なレーベルから参加してもらっていますし、重要な鍵になる存在だと考えています。

―――ファンをスーパーファンにするにはどういった事が必要だと思われますか?

スーパーファンは、単に時折触れて好き、というのを超えて、日々アーティストの最新情報を追い、推し活を楽しむようなファンだと思っています。そうなるためには、アーティストの魅力に沢山触れてもらう、触れられるような環境作りが必要ではないかと思います。

これまではアーティストの活動は様々なメディアに分散していましたが、Weverseはそれをワンストップで提供するためのプラットフォームです。ここさえ見ておいてもらえれば、アーティストの全てが分かります。ですから、Weverseはアーティストに興味を持った人やファンの人に”推し活”がしやすい環境を提供することでスーパーファンを増やすきっかけをつくる、とても重要な存在だと思います。

また、ファン同士で繋がって一緒に推し活をするのも、熱心なファンになってもらうためのポイントだと思います。今後は、アーティストとファンを繋ぐだけでなく、ファン同士の繋がりをサポートするような事もできればと思います。

―――日本でのこれまでについてはどう振り返りますか?

Weverseの利用者数でも世界で5本の指に入る規模で、日本のユーザーは熱心な方が多いです。また、ファンになるまで少し時間がかかりますが、ファンになると長い期間応援を続け、とても熱心、という特徴があるように思います。

日本には、アーティストやタレントを応援するという文化が長く、強く根付いている分、見る目も厳しいというのもあります。

日本法人をきちんと作り、物流網を全国に整備して、日本市場と向き合っているという面もあります。

―――日本のアーティストによる活用はどのように進んでいますか?

まだ最近になってWeverseにジョインしていただいたアーティストが多いのですが、徐々に活用が進んでいると感じています。特に、日本のアーティストがグローバルに羽ばたくための機会になればと思っているのですが、あるアーティストは既にコミュニティの半分が海外のファンになっていて、ご本人も驚いていらっしゃるようです。

日本のアーティストとも色々と会話をしながら、機能改善も進めていく予定です。

―――「持続可能性に配慮したレコード」という話も会見でありました。熱心なファンが大量にアルバムを購入して、それが破棄されてしまうというような問題もありました。その点についてはどのように考えていますか?

「Weverseアルバム」は世界中のあらゆる産業で進むデジタル化の流れと消費者のニーズを把握して開発されたサービスです。 Weverseは、グローバルファンが誰でも簡単かつ便利にコンテンツを楽しめるように様々なサービスを提供してきましたが、「Weverseアルバム」もその一環で、アルバム(CD)分野にも領域を広げようという意図でサービスを開始することになりました。

CDは単純に音楽を聴くために購入するというよりは、公式商品(グッズ)としての概念が強くなってきていると思います。そのような側面で、物理的なアルバムをコレクションしたいと思うファンもいれば、高品質の音源とプラットフォームアルバムが提供する利便性を楽しむファンもいます。デジタルアルバム、実物アルバムであれ、のそれぞれ持っている特長があり、ファンの環境に対する考えやファンのニーズによって選択され価値が付けられることだと思います。

―――ビジネス的にはデジタル商品に力を入れていくという話がありましたが、楽曲販売以外に具体的に考えていることはありますか?

現在は「Weverse DM」、「ファンレター」、VOD販売などデジタル商品を拡大しており、今後も多くの機能を発表する予定ですので、楽しみにしていただければと思います。

―――ありがとうございました

《Manabu Tsuchimoto》

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Manabu Tsuchimoto

Manabu Tsuchimoto

デジタルメディア大好きな「Media Innovation」の責任者。株式会社イード。1984年山口県生まれ。2000年に個人でゲームメディアを立ち上げ、その後売却。いまはイードでデジタルメディアの業務全般に携わっています。

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