HYBEが展開する「推し活プラットフォーム」とは? グローバルでスーパーファンを育てる鍵に

・Hybe傘下のWeverse Japanは推し活プラットフォームとして進化中
・全世界で活躍のアーティストが参加し、日本市場にも注力
・アーティストとファンの交流を促進し、デジタル商品に注力

メディア デジタルメディア
HYBEが展開する「推し活プラットフォーム」とは? グローバルでスーパーファンを育てる鍵に
  • HYBEが展開する「推し活プラットフォーム」とは? グローバルでスーパーファンを育てる鍵に
  • HYBEが展開する「推し活プラットフォーム」とは? グローバルでスーパーファンを育てる鍵に
  • HYBEが展開する「推し活プラットフォーム」とは? グローバルでスーパーファンを育てる鍵に
  • HYBEが展開する「推し活プラットフォーム」とは? グローバルでスーパーファンを育てる鍵に
  • HYBEが展開する「推し活プラットフォーム」とは? グローバルでスーパーファンを育てる鍵に
  • HYBEが展開する「推し活プラットフォーム」とは? グローバルでスーパーファンを育てる鍵に
  • HYBEが展開する「推し活プラットフォーム」とは? グローバルでスーパーファンを育てる鍵に
  • HYBEが展開する「推し活プラットフォーム」とは? グローバルでスーパーファンを育てる鍵に

BTSなどを擁する韓国の大手エンターテインメント企業、HYBEの傘下でコミュニティプラットフォームを展開するWeverse Japanが東京で記者会見を開催し、世界的な「推し活プラットフォーム」の創出に向けて様々な取り組みを行っていくと表明しました。

「Weverse」はHYBEの所属アーティストをはじめ、数多くのアーティストが参加するコミュニティプラットフォームです。現在、MAU(月間アクティブユーザー)で1000万人を超え、1億ダウンロード、ライブの累計再生回数は20億回を超えます。

Weverseのアプリには、アーティストたちの投稿が一覧できる「フィード」、グッズを購入できる「ショップ」、オンラインでも開催される「ライブ」などの機能があります。投稿は日本語を含む15ヵ国語に翻訳でき、言葉の壁を超えた、アーティストとファンの交流を実現しています。

豊富なグッズも特徴です。物理的なグッズに加えて、デジタルグッズにも力を入れていきたいと同社は述べています。物理的なグッズのニーズが強い一方、デジタルであれば在庫の問題や、廃棄の問題を解決できるとして、「環境に配慮したレコード文化」を醸成していきたいと述べました。また、デジタルであれば、豊富なバリエーションを提供でき、配送料も削減できる事から提供価格も引き下げる事ができます。

また「Weverse by fans」という取り組みでは、ファンが自分のカスタムを施したオフィシャルグッズを購入できます。配送までに時間は要しますが、自分だけのグッズを(公式に)買えるというのは嬉しいところです。同社ではこうした取り組みで人気を図りながら、グッズの制作にも活かしていきたいと話していました。

2023年10月にWeverse JapanのGeneral Managerに就任したムン・ジス氏(Neowizやゲームオンなどでキャリアを積んできた)は、Weverseを4月から「Global Superfan Platform」として位置付けていると述べ、ファンを超えて、常に推し活を楽しんでいる「スーパーファン」が最大限楽しめる場にしていきたいと強調しました。

機能面では、「使い方が分からない」「機能が多すぎる」といった声があるということで、より使いやすくシンプルなUIに向けて改善を進めているとのこと。また、アーティスト向けには、より自由な表現ができる画面構成や、ライブ中にユーザーコメントを自動翻訳する、他のアーティストと合同ライブができるようにするなどの改修を実施しているようです。

Weverseはグローバルプラットフォームではありますが、日本は利用者数でトップ5に入り、特に「アクティブなアクションが非常に多い国になっている」とのこと。そのため「日本市場に積極展開するため」(ムン氏)、日本法人としてWeverse Japanが置かれていて、特に決済と物流面でローカライズが進んでいるとのこと。日本のアーティストのWeverseへの参加についても、様々な事務所と会話をしていると表明しました。

現状は参加できるアーティストに限りがありますが、これはプロモーションの都合ということで、「想定するアーティストや、知名度の問題を考えているわけではない」ということで、徐々に参加アーティストは広がっていきそうです。

Weverseのビジネスについては「トラフィックを伸ばす事を優先していて、投資フェーズであり、利益のために投資を抑制する考えはい」と強調。将来的なビジネス拡大の鍵になるのはデジタル商品ということで、アルバムのデジタル配信以外にも様々な新しい商品を考えている事を示唆していました。

◆ ◆ ◆

「推し活」が流行語になるほど熱を帯びている現代で、多くの有力アーティストを抱えるHYBEが展開するWeverseは、音楽レーベルの一事業の域を超えて、スーパーファンのための「推し活プラットフォーム」に進化しようとしているようです。日本法人があり、日本市場向けの記者会見を行った事からも、日本市場に対する力の入れようも伺えます。今後の展開が楽しみです。

《Manabu Tsuchimoto》

関連タグ

Manabu Tsuchimoto

Manabu Tsuchimoto

デジタルメディア大好きな「Media Innovation」の責任者。株式会社イード。1984年山口県生まれ。2000年に個人でゲームメディアを立ち上げ、その後売却。いまはイードでデジタルメディアの業務全般に携わっています。

特集