企業向けAI動画生成プラットフォームを提供する英国企業Synthesiaは、シリーズDラウンドで1億8000万ドル(約280億円)の資金調達を完了したと発表しました。これにより、Synthesiaの累計資金調達額は3億3000万ドル(約520億円)を超えました。
本ラウンドはベンチャーキャピタルのNEAが主導し、既存投資家のGVやMMC Ventures、FirstMark Capitalのほか、新たな投資家としてWorld Innovation LabやAtlassian Ventures、PSP Growthが参画しました。この調達に伴い、同社の企業価値は21億ドル(約3290億円)に達しています。
調達した資金は、プロダクト開発や人材拡充に加えて、北米、欧州、日本、豪州での事業拡大に活用する計画です。SynthesiaのCEO兼共同創業者であるVictor Riparbelli氏は、「今回の新たな資金調達によって、対話型でリアルタイム、そして個別に最適化されたAI動画で異次元の体験の開発が可能になります」と、述べています。
2017年創業のSynthesiaは、AI技術を活用した動画生成プラットフォーム「Synthesia」を開発・提供してきました。現在ではIKEAグループやシーメンスのような企業をはじめとして60,000社以上のユーザーが利用しており、Fortune 100企業の6割以上が顧客となるなど、企業向けAI動画生成市場のリーダーとしての地位を確立しています。
Synthesiaのプラットフォームは、多言語対応や簡単にカスタマイズ可能なAIアバターなどの機能により、多様な利用者に向けてスケーラブルかつ効果的なコミュニケーションを提供するものです。また、セキュリティとコンプライアンスにも注力しており、2024年9月にはISO 42001認証を取得するなど、AI技術の安全かつ責任ある活用を実現しています。

AI動画生成技術の進化により、企業のコミュニケーションや教育トレーニングの方法が大きく変わりつつあります。Synthesiaの今後の展開と、AI動画市場のさらなる発展が期待されます。