矢野経済研究所は、国内のアフィリエイト市場に関する調査結果の一部を3月19日に公開しました。
2024年度の市場規模は4,382億円となる見込み
調査によると、2023年度のアフィリエイト市場規模は前年度比7.2%増の4,113億4,000万円となりました。金融分野やEC分野の成長が鈍化した一方で、オンラインクリニック分野が大きく成長しています。
2024年度も金融分野とEC分野の成長鈍化が予想されますが、オンラインクリニック分野のアフィリエイト需要は引き続き拡大すると見られています。コロナ禍をきっかけにオンライン診療に関する法改正が行われたことが背景にあります。2024年度の市場規模は前年度比6.5%増の4,382億円に達する見込みです。
業界の健全化が進展
2023年10月からステルスマーケティング(ステマ)規制が実施され、業務停止や罰金処分が課せられるようになりました。これにより、一部のアフィリエイトサービス事業者(ASP)の売上が縮小したり、新興ASPの中には淘汰されるような影響も出ています。
不正行為への取り締まり強化により、業界全体の健全化が進展してきました。SNSやYouTubeのような広告プラットフォーム上での投資詐欺やロマンス詐欺が問題となっており、各広告プラットフォームの規制がさらに厳格化しています。
2028年度の市場規模は5,835億円と予測
矢野経済研究所は、2023年度から2028年度までのアフィリエイト市場の年平均成長率(CAGR)を7.2%と予測し、2028年度の市場規模は5,835億円に達すると見込んでいます。
市場成長の要因としては、新たにアフィリエイトを利用する広告主の増加、オンラインクリニックなどの新規ジャンルからのアフィリエイト参入、若年層アフィリエイターによるメディア参加の増加、新しいECプラットフォームの登場などが挙げられています。
ECの利用率の増加に伴い、モール型ビジネスによるアフィリエイト需要が伸びています。さらに、新たな大型ECプラットフォーム運営企業による自社アフィリエイトプログラムが登場する可能性も指摘されています。
アフィリエイト市場は今後も拡大していくものの、過去に比べて伸長率は穏やかに推移していくと予測されています。法規制の整備が進み、市場の健全化が進展していることから、不正が多発している他の広告プラットフォームにおける広告予算がアフィリエイトに流れてくる可能性もあると考えられています。