電通デジタルは、Meta日本法人Facebook Japan合同会社とAI領域における提携を開始したと発表しました。両社は共同でInstagram縦型動画制作の全工程を効率化するワークショップ「IG AI Creative Studio」を開発し、6月16日より提供を開始しています。
従来、縦型動画制作にはデータ解析やターゲットユーザーのインサイト・ペルソナ設計、クリエイティブ企画立案・制作など多くの作業が必要で、属人化や、施策立案から公開までが長時間になってしまうという課題がありました。
新開発の「IG AI Creative Studio」では、企業担当者が監督として関わりながら、電通デジタルのクリエイティブ担当者と共に、マーケティングソリューションブランド「∞AI™(ムゲンエーアイ)」をはじめとしたAIを活用して縦型動画を生成します。これにより全工程の時間を短縮し、最短半日での縦型動画生成を実現しています。
制作プロセスでは、まずInstagram上のアクティブユーザーを「トライブ」という集団で捉えて分析する「Tribe Driven Marketing for Instagram」を活用してターゲットユーザーを分析。その後、分析データをMetaのAI(Llama)に入力してペルソナを生成し、最適な縦型動画クリエイティブの企画を立案します。
続いて生成AIを活用して企画内容を絵コンテ化し、さらに動画化。最終調整を担当者が行って動画コンテンツを完成させます。最後に生成したAIペルソナを活用して事前にクリエイティブ効果を予測・評価する仕組みとなっています。
また、Meta広告ライブラリに掲載されている広告を対話形式で検索できる「広告ライブラリエージェント」も開発し、企業の広告配信支援サービスの一環として社内での活用を開始しました。
今後は「Meta Advanced Analytics Agent」の開発や、電通グループ4社が開発する「統合マーケティングAIエージェント」へのMeta各種ソリューション接続にも取り組む予定です。電通デジタルは「AI For Growth」戦略のもと、人間とAIの理想的な協業を目指し、AI活用によるマーケティング活動の高度化支援を推進していくとしています。
電通デジタルとMetaの提携は、広告業界におけるAI活用の新たな展開を示しています。AIの効果的な活用により、マーケティング施策の迅速化や広告の最適化が推進されることでしょう。