テレビ朝日ホールディングスが発表した2027年3月期第1四半期決算は、売上高813億8600万円(前年同期比1.1%増)、営業利益37億9200万円(同48.0%減)となりました。主力のメディア・コンテンツ事業が減収減益となった一方、新設のTDP・イベント事業が大幅増収増益となり、全体を押し上げる構図が明確になっています。詳細は決算補足資料および決算短信で開示されています。
セグメント再編とTDP開業の効果
同社は2026年度より報告セグメントを見直し、従来の「テレビ放送事業」「インターネット事業」「ショッピング事業」「その他事業」から、「メディア・コンテンツ事業」と「TDP・イベント事業」を軸とする新区分に変更しました。背景には2026年2月に決議した中期経営計画「START UP テレ朝!! 経営計画2026-2029」があり、放送以外の収益源をどう育てるかが経営の焦点になっていることがうかがえます。
3月27日に開業した複合施設TOKYO DREAM PARKは、開業から約3カ月半となる7月12日時点で累計来場者数100万人を突破しました。「100%ドラえもん&フレンズ in 東京」は7月25日に来場者20万人を超え、EX THEATER ARIAKEでの「AmberS -アンバース-」や「アケチコ!」、ミュージカル「ディア・エヴァン・ハンセン」の公演も盛況だったとしています。6月12日には没入型デジタルアート施設「レーヴ・デ・リュミエール」も開業しており、施設内の複数コンテンツを組み合わせて来場動機を積み上げる戦略が形になってきています。この結果、TDP・イベント事業の売上高は121億6400万円(前年同期比103.9%増)、営業利益は4億8900万円(同304.9%増)となり、メディア・コンテンツ事業の落ち込みを補う役割を果たしました。
放送事業はスポット反動減が重く 番組販売やインターネット収入は伸長
メディア・コンテンツ事業の売上高は689億3800万円(前年同期比6.9%減)、営業利益は30億2800万円(同56.9%減)となりました。タイム収入はレギュラー番組が増収となったものの、前年同期の「世界フィギュアスケート国別対抗戦2025」などスポーツ単発番組の反動減がありながらも「世界ラリー日本大会」「NBAライジングスターズ・インビテーショナル日本予選」のセールスが堅調で、減収は最小限に抑えられたとしています。一方でスポット収入は前年同期の特需の反動により大幅減収となり、薬品・医療用品や飲料・嗜好品、交通・レジャー、情報・通信など多業種で落ち込みました。
インターネット収入は制作受託が好調で前年同期比4.6%増、番組販売収入は海外向けアニメ販売が好調で11.4%増となっており、放送外の収益領域が下支えする構図が続いています。ショッピング収入は外部環境の悪化による買い控えなどで減収となりました。
その他事業と特別損益の動き
その他事業はコンサート・イベント関連市場での映像機器レンタルが好調に推移し、売上高26億4100万円(同19.8%増)、営業利益3億500万円(同88.5%増)となりました。特別損益では新日本プロレスリングの子会社化に伴う段階取得に係る差益を計上した一方、ブロックチェーン技術を用いた事業を手がけていたグループ会社の事業整理・撤退に伴う事業損失引当金繰入額を計上しており、非中核事業の整理を進めていることがうかがえます。
通期の連結業績予想は2026年5月14日公表の数値から変更なく、売上高3500億円(前期比3.1%増)、営業利益200億円(同23.6%減)としています。年間配当予想は100円(うち第2四半期末50円、期末50円)で、直近予想からの修正はないとしています。

