タウンニュース社は2026年8月10日、2026年6月期の決算を発表しました。売上高は3,987百万円で前期比8.4パーセント増、営業利益は593百万円で同28.4パーセント増となり、増収増益で売上高は過去最高を更新しました。詳細は決算短信で開示されています。
同社は「『地域情報紙を発行する会社』から『地域情報紙も発行する総合情報企業』へ」という基本ビジョンの実現に向け、紙面・デジタル・非紙面の各事業の拡大と深耕に取り組んでいます。今期の増収増益は、非紙面事業を中心とした複数の取り組みが積み重なった結果として示されています。
コア事業の再編とデジタル移行支援
コア事業である紙面関連事業では、「こどもタウンニュース」の定期発行化や、求人・防災・安全といった地域課題に関する企画号、周年記念号などの多様な紙メディア展開を進め、地域コミュニティの活性化と収益の安定確保に努めてきました。一方で地域の人口減少や新聞購読者層の構造変化に対応し、発行版の再編や発行部数の見直しも適宜進めています。
デジタル事業では「タウンニュース for LINE」やメール版タウンニュースの登録者拡大に加え、デジタル編集室を設置してWeb版記事の充実化とキュレーションサイトへの記事配信強化を進めました。さらに2026年4月には自治会町内会活動を支援するまちづくり応援サイト「JichiCa(ジチカ)」を開設し、地域コミュニティのデジタル移行支援に着手しています。同社はこれを地域活動の活性化と課題解決による地域社会の発展、新規事業を通じた価値創造への取り組みと位置付けています。
非紙面事業が業績を牽引
非紙面事業では、自治体が実施する各種プロポーザルでの実績を積み重ねたほか、リニューアルオープンした秦野市文化会館(クアーズテック秦野カルチャーホール)で大規模イベントを成功させました。事業開始から1年が経過した小田原市民ホール(愛称:小田原三の丸ホール)は安定した施設運営との評価を得ており、茅ヶ崎公園体験学習センター(愛称:うみかぜテラス)を含めた指定管理事業も順調に推移しています。記念誌や自費出版物、防犯・防災グッズの開発・販売、ホームページ制作といった個々のニーズへの対応も進めています。
同社によると、PPP(公民連携)関連事業やプロポーザル案件、デジタル事業などの非紙面売上が全体を牽引したことが売上高の過去最高更新につながりました。利益面では原材料や諸経費の値上がり、人件費の増加があったものの、大幅な増収効果がこれを吸収し、営業利益・経常利益・当期純利益のいずれも前期を上回っています。
2027年6月期の見通しと役員体制
2027年6月期の業績予想は、売上高4,200百万円(前期比5.3パーセント増)、営業利益617百万円(同4.1パーセント増)、経常利益700百万円(同4.7パーセント増)としています。期末配当は1株当たり22円を予定しています。
あわせて同日、取締役会は2026年9月23日開催予定の定時株主総会に付議する役員候補者の選任も決議しました。取締役の秋山純夫氏が2026年7月10日に逝去したことを受け、後任として公認会計士の細野和寿氏を社外取締役候補に選任しています。監査役3名は再任候補で、補欠監査役1名も選任される予定です。

