エキサイトホールディングスは8月14日、2027年3月期第1四半期(2026年4月~6月)の決算を発表しました。連結売上高は26億4557万円と前年同期比3.6%増、営業利益は1億346万円と同50.9%増、EBITDAは2億6700万円と同57.0%増となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は9274万円で、前年同期の2420万円の損失から黒字に転換しています。詳細は決算説明資料と決算短信で開示されています。
通期の連結業績予想は売上高120億円、営業利益6億1000万円で据え置かれました。第1四半期の進捗率は売上高22.0%、営業利益17.0%にとどまりますが、同社は顧客基盤拡大に向けた投資を上期に集中させ、下期偏重で利益を積み上げる方針を掲げており、この計画に対しては想定を上回る着地としています。
セグメント別の明暗
収益改善が最も顕著だったのはプラットフォーム事業です。「ウーマンエキサイト」などのメディアサービスで広告単価とページビュー数が回復し、セグメント売上高は8億4172万円(前年同期比1.2%増)、営業利益は1億5897万円(同132.5%増)となりました。このうちメディアサービス単体の営業利益は前年同期比1億1000万円改善しており、全社の増益を牽引する存在になっています。

ブロードバンド事業は10ギガ光回線とMVNOサービス「エキサイトモバイル」の課金会員数が順調に増加し、売上高は9億1886万円(同1.4%増)となった一方、営業利益は1億2940万円(同7.1%減)とやや後退しました。既存事業の会員基盤拡大は着実に進んでいるものの、収益性の面では投資負担が影響しているとみられます。

新たな事業の柱と位置付けるSaaS・DX事業は、「FanGrowth」「Sharely」の顧客獲得が進んだことで売上高2億5059万円(同4.9%増)、営業利益2576万円(前年同期は1560万円の損失)と黒字転換を果たしました。DXサービスについてもAI駆動開発によるコスト効率改善が寄与し、営業利益は前年同期比8340万円改善しています。生成AIを活用した開発体制の見直しが、収益構造の改善に直結し始めている点は注目されます。

メディカル事業は投資基準を見直し
一方で苦戦が続くのがメディカル事業です。「ONE MEDICAL」のオンライン診療サービスなどが成長し売上高は6億3598万円(同10.3%増)を確保したものの、営業損益は8435万円の損失となり、前年同期の4370万円の損失から赤字幅が拡大しました。市場環境の変化により顧客獲得単価が高騰したことを受け、広告宣伝費の投資対効果の基準を見直し、投資を抑制した結果、前四半期比では減収となっています。成長投資と収益性のバランスをどう取るかが、今後のメディカル事業運営における課題として浮かび上がっています。

連結範囲の見直しとポートフォリオ戦略
当第1四半期には連結範囲の変更もありました。非連結子会社であったOpen Cure株式会社は重要性が増したため新たに連結対象に加わった一方、連結子会社のiXIT株式会社は2026年4月1日付でエキサイト株式会社を存続会社とする吸収合併により消滅し、連結範囲から除外されています。グループ内の事業再編を通じて経営資源の集約を進めている様子がうかがえます。
同社は経営方針として、プラットフォーム事業及びブロードバンド事業のユーザー数拡大による「既存事業の成長」、その収益基盤を活用したメディカル事業及びSaaS・DX事業への積極投資による「新たな事業の柱の構築」、M&Aによる「事業ポートフォリオの強化」の3点を掲げています。当期は中期経営計画の達成に向けた2年目に当たり、売上高・利益ともに着実な成長を目指す方針です。
純利益の大幅改善には一時的な要因もあります。前年同期は本社移転費用6800万円と事業撤退損3300万円の合計1億100万円を特別損失として計上していましたが、当期はこうした特別損失の計上がなかったことも増益に寄与しました。財政状態については、配当金の支払い1億5100万円、長期借入金の返済1億8200万円、法人税等の支払い1億3300万円などにより現金及び預金は前期末比5億9900万円減少し、自己資本比率は32.2%となっています。






