ダイヤモンド社は、1913年創刊の『週刊ダイヤモンド』を2027年4月より紙媒体から完全デジタル雑誌へ移行すると発表しました。紙版の最終発行号は2027年4月3日号で、3月29日発売、3月24日発送分をもって定期購読の配送を終了します。新規・継続申し込みの受付は2026年9月30日で締め切ります(ダイヤモンド社)。
移行後は電子版として、有料会員サービス「ダイヤモンド・プレミアム」で最新号を全ページ閲覧できるほか、10年分以上のバックナンバーも読めるようにします。加えてKindle、楽天Kobo、honto、Google Play、dマガジン、楽天マガジンなど主要な電子書店や雑誌読み放題サービスでも幅広く配信を続ける方針です。
デジタル・ファースト体制の延長線上にある決断
同社は2007年にビジネス情報サイト「ダイヤモンド・オンライン」を開設し、2019年6月にはデジタル有料会員サービス「ダイヤモンド・プレミアム」を開始しました。この際に雑誌とデジタルの編集部を統合し、オンライン発の有料記事を誌面に連動させる体制を構築してきた経緯があります。今回の完全デジタル化は、この延長線上に位置づけられる決断といえます。

同社によると、ダイヤモンド・オンラインの会員登録者数とダイヤモンド・プレミアムの有料会員数はいずれも順調に増加してきたといいます。週刊という発行サイクルの制約をなくし、スクープや深掘り記事をリアルタイムで配信できる体制へ移行することで、意思決定のスピードが求められるビジネスエグゼクティブ層への訴求を強める狙いがあるとみられます。
広告ビジネスにも波及するファーストパーティデータ活用
完全デジタル化は編集面だけでなく、広告・マーケティングビジネスの再設計とも結びついています。同社は今回の移行を機に、読者の行動データを活用したファーストパーティデータの活用とターゲティング精度の向上を進め、広告クライアント向けのマーケティングソリューションを強化するとしています。
紙媒体特有の文字数やデザイン、物流面の制約から解放されることで、誌面構成の自由度も高まるとしています。老舗ビジネス誌が紙からデジタルへ軸足を移す動きは、経済メディア業界における収益構造の転換点として注目されます。



