Qurekaは、書籍データに基づきAIがユーザーの質問へ即答する書籍QAサービス「Bookleverage」の実証実験を、NTTドコモが社内で推進する読書施策「本読みプロジェクト」と連携し、2025年8月下旬から10月中旬までの予定で実施すると発表しました。
本実証では、英治出版、NTT出版、かんき出版、実業之日本社、プレジデント社など許諾を得た7社の出版社の書籍を対象とし、NTTドコモグループ社員約100から150名が参加する予定です。参加者は「要点の素早い把握」「ピンポイントの深掘り質問」「アウトプットへの即転用」を体験し、読書体験の拡張と深化を検証します。
「Bookleverage」では、ユーザーが3つの価値を得られるとしています。まず、要約機能などにより書籍の全体像をすぐ確認でき、「知りたいポイント」を質問するとAIがその書籍を根拠に即答することで、読む・調べる時間と労力を大幅に削減できます。
また、書籍という「閉じた」制約下の情報を扱うことで、専門性・具体性・一貫性を備えた深い洞察が得られ、信頼できる出典付きで安心して活用できます。さらに、学びをすぐにアウトプットへ転用できるのも特長です。回答内容をもとに思考整理や企画書などの下書きが可能で、情報整理フェーズを短縮し、仕事や学習成果を早く形にできます。
NTTドコモ「本読みプロジェクト」は、同社が社内で推進する読書施策です。選書支援や読書コミュニティ運営、成果共有イベントなどを通じて社員の主体的学習を後押しする取り組みで、参加メンバーが今回の実証に協力します。
今回の実証は、業務が忙しいと、書籍で知識を得るには時間と労力がかかるという課題の解決を目指して行われます。大規模言語モデル(LLM)の進歩により、書籍データを構造化して要点を抽出し、対話形式で回答を生成できる技術が実用域に到達し、読書体験そのものをアップデートできる環境が整ったことも背景となっています。
出版社は既存IPを活かしつつ読者体験を拡張と深化する方策を模索しており、今回の実証はAIと書籍を組み合わせた具体的なユースケースとなります。
Qurekaは「テクノロジーで好奇心を開発する」を掲げ、AIを活用した学習・知識サービスを提供するスタートアップです。書籍QAサービス「Bookleverage」を皮切りに、好奇心を刺激し行動を促すプロダクト開発に取り組んでいます。
QurekaとNTTドコモによる「Bookleverage」の実証は、AIと書籍の融合による読書体験の再定義を示す先進的な取り組みです。AI技術が浸透する中、出版業界の新たなビジネスモデルとなるか、今後の動きが注目されます。