ログリーは、インターネット広告配信でCookieなどのユーザーを一意に特定する技術を使用せずにユーザーの属性を推定する技術を確立し、特許を取得しました。

同特許技術(特許:第6511186号)は、2018年7月11日に発表した「ユーザーの興味を分類・可視化する技術に関しての特許」をさらに推し進めたもので、Cookieをまったく利用せずに、Webページのアクセス情報からユーザーの性別・年齢などのデモグラフィック情報、興味・関心などのサイコグラフィック情報を推定することが可能です。

これまでユーザーの属性を推定する技術は、Cookieを用いて過去に閲覧したWebページの履歴(行動履歴)から機械学習によってユーザーを分類し、属性を推定する手法を用いていましたが、Cookieが利用できない端末では行動履歴を蓄積することができず、アクセスした単一ページの情報しか保持できませんでした。

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こうしたCookieが利用できない端末の場合、ページの内容を解析し、ユーザーの興味を推定する手法が用いていましたが、テキストの形態素解析や意味解析を行う必要があり、膨大なWebページを解析するには多くの時間と計算リソースが必要でした。その他、リアルタイム性を求められる広告配信での利用が難しいことや、グローバルに適用するには地域ごとの言語対応が必要になるなどの課題もありました。

同特許技術では、こうした課題を解決。ページの内容を利用することなくユーザーがWebページにアクセスした際に取得できるURL、日時、端末情報などのアクセスログをパターン化し、機械学習の技術を用いて高速にユーザー属性を推定できます。また、アクセス情報はページの言語に依存しないため、日本語以外のWebページにも適用が可能です。

属性の推定結果を広告配信に適用するシミュレーションを実施しており、アルゴリズムが適用可能と判断した広告の約90%でCPA、CTR、 CVRの改善が見込めることがわかっています。下図では、特許技術を適用した場合(オレンジ)と、適用していない場合(青)のCPA(広告による獲得単価)を比較。特許技術を適用した場合、CPAを下げる(広告効果を高める)結果となっています。

同社は今後、2019年9月までに同特許技術を用いた広告配信の準備を整え、LOGLY liftに搭載する他、グローバルでの展開も視野に入れ、各パートナー企業との連携も模索していきます。

技術確立の背景

近年、ブラウザのCookieが制限されるようになっており、EU圏ではGDPR(EU一般データ保護規則)が制定されるなど、今後もユーザーのプライバシー保護に対する仕組みが整備されていくことが予想されます。同社が実施したスマートフォンのITPの影響調査では、iOSのバージョンアップ以降、Cookieによるトラッキング捕捉数が約25%減少していることが明らかになっています。

これらの基準に対応した地域やデバイスでは、インターネット広告事業者は従来のようなCookieを用いた効率のよい広告配信が行えなくなると同時に、ユーザーも興味や関心と関係のない広告を見る機会が増えることになっています。