早いものでもう年の瀬。皆様にとって2019年はどのような一年だったでしょうか? 2019年1月にオープンしたMedia Innovationも最初の一年を終えようとしています。これまで10回の特集企画、13回のイベントを開催し、多くのメディア業界のキーパーソンを取材してきました。12月特集は「メディア業界2020年の展望」という事でこれまで登場いただいた皆様にメッセージをいただきました。

東洋経済新報社が発行する「週刊東洋経済」は100年を超える歴史を持つ経済誌です。そのウェブ版である「東洋経済オンライン」は週刊誌のデジタル化の先駆けとして積極的な展開と、ユーザー獲得を実現してきました。2月の経済メディア特集で取材させていただいた、武政秀明編集長に2019年の振り返りと2020年への展望を聞きました。

2019年はメディア業界、またご担当のメディアにとってどのような年だったでしょうか?

大手新聞社の一部で表面化したリストラは、新聞業界が恐れていた事態が遂に始まったことを意味し、これからの再編を予感させる号砲と言えました。

出版界において、それと裏返すような出来事は、週刊誌系の出版社がネットシフトを強めたこと。主力の週刊誌系ウェブメディアがスクープをどんどんネットに流すことで一気にアクセスを伸ばし、これまで続いてきたPV争奪戦がますます激化しました。

それだけ同じく雑誌も底の見えない市場縮小が続いており、多様な稼ぎ方を早く確立せねばならないという危機感が関係各社に強まっているといえます。

これからのメディアに求められること、直面する課題はどういったことでしょうか?

東洋経済オンラインが置かれている環境を言えば、競合は従来の雑誌市場で争ってきた媒体だけに限らず、新聞、テレビ、独立系ウェブメディアなど多岐に渡り、まさに異種格闘技戦の様相を呈しています。求められているのは信頼性。混沌とする世の中において偏った意見や根拠のない憶測、伝聞に基づく報道ではなく、客観的な事実に基づいた正確な情報を愚直に届けていく必要があります。直面する課題は今後に生き残れるだけの稼ぎを得られるか、読者に認知され、信頼されるブランドを築けるかだと考えています。

2020年に取り組みたいと考えていることはどういったことでしょうか?

新しい書き手の発掘による新しい読者の獲得、読者との結びつきを強めるための仕掛けづくり、読者の関心を呼び、世のため人のためになる企画の発案、UI、UXの改善、コンテンツの質を高めるためのノウハウ研究、教育をはじめとするスタッフへの共有など、地味ですが奇手奇策はなく基本を忘れずに着実に実行していきたいと考えています。また、ブランドの認知を深めるとともに健全な言論空間づくりも取り組むべき課題と認識しています。

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