フェイスブックは変わるか?コンテンツに強い権限を持つ監督委員会を発足・・・元首相やノーベル賞受賞者も

フェイスブックは、同社が運営するプラットフォームで適切なコンテンツが流通するよう監督し、取締役会や担当部署に対して指示を行うことのできる20名の外部有識者で構成される監督委員会を発足したと発表しました。 委員会は4人の共同議長を置き、メンバーには元首相、…

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<p>イメージ画像 / Photo by Kon Karampelas on Unsplash</p>
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フェイスブックは、同社が運営するプラットフォームで適切なコンテンツが流通するよう監督し、取締役会や担当部署に対して指示を行うことのできる20名の外部有識者で構成される監督委員会を発足したと発表しました。

委員会は4人の共同議長を置き、メンバーには元首相、ノーベル賞受賞者、元連邦裁判官、大学教授、研究機関の代表などが含まれ、最大40名まで拡充されるとのこと。委員会はフェイスブックが運営するFacebook、Instagramについて監督し、プライバシーの観点からメッセンジャーアプリのWhatsAppは対象に含まれないとのこと。

フェイスブックが立ち上げた監督委員会に20名が起用。

フェイスブックは委員会の役割について以下のように説明しています。

・特定のコンテンツを許可するか削除するか最終的かつ拘束力のある決定を下す
・重要なコンテンツの取り扱いを会社が決定する前提となる洞察と考察を提供する
・メンバーは会社から独立し、1.3億ドルの基金によって財政的にも独立する
・委員会はユーザーからのコンテンツに関する依頼も今後受け付ける
・委員会のメンバーは透明性を重視
・今後数ヶ月以内にコンテンツについての審査を開始する

特に最終的な決定権を持つとされている点や、メンバーの独立性の担保が憲章では特に謳われています。メンバーは憲章違反以外では、コンテンツに関する決定で解任されることは無いとされています。

同社はFacebookだけで26億人のユーザー数(MAU)を抱える巨大プラットフォームとなっていますが、現在のような危機的な状況に限らず、コンテンツ流通のあり方は常に論争の的となってきました。

「ナパーム弾の少女」の写真を検閲したとして批判を浴びたり、「ヴィレンドルフのヴィーナス」や「世界の起源」をポルノとして削除をしたり、コンテンツの扱いについては批判を受けてきました。また、直近では反ワクチン活動家や、陰謀論者、あるいは新型コロナウイルスに関するデマやフェイクニュースなどが委員会の議論になっていくものと考えられます。

フェイスブックでは2018年からこの監督委員会の仕組みについて議論を行ってきて、約2年間を経て正式に発足する事になりました。同社は創業者でCEOのマーク・ザッカーバーグ氏が絶大な権限を持って運営されてきましたが、この監督委員会の発足が同社の変化を導くことになるのでしょうか?

監督委員会は隠れ蓑か、実効性のある組織になるのか

この発表を受け、欧米のメディアはこれは「イチジクの葉なのか、それとも本当に実効性ある組織になるのか」と論争となっています。(イチジクの葉=アダムとイブが身につけて事から、大事な事を隠す存在という意で用いられる)


《Manabu Tsuchimoto》

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Manabu Tsuchimoto

Manabu Tsuchimoto

デジタルメディア大好きな「Media Innovation」の責任者。株式会社イード。1984年山口県生まれ。2000年に個人でゲームメディアを立ち上げ、その後売却。いまはイードでデジタルメディアの業務全般に携わっています。

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