パンデミックの中でどう映画を撮影するか、進化する仮想制作技術

グローバルに活動している映画産業にとって、パンデミックによる混乱の度合いは計測困難な程大きなものでしょう。映画制作スペースは「封鎖」されており、役者は舞台上でも舞台裏でも隔離されています。

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パンデミックの中でどう映画を撮影するか、進化する仮想制作技術

本記事はThe Conversationに掲載された、イギリスのKing’s College Londonでスクリーンメディアを専門とするSarah Atkinson教授とイギリスのUniversity of Nottinghamで創造文化産業を専門とするHelen W. Kennedy教授による記事「How the movie industry is fightinglockdown」をCreative Commonsのライセンスおよび執筆者の翻訳許諾の下、掲載するものです。

グローバルに活動している映画産業にとって、パンデミックによる混乱の度合いは計測困難な程大きなものでしょう。映画制作スペースは「封鎖」されており、役者は舞台上でも舞台裏でも隔離されています。現在多くの映画祭は中止またはオンライン化され、そして映画館は閉鎖されるなど業界は不安定な経済的状況に直面しています。

それでも、こうした状況にすぐに適応した映画制作者がいます。コロナウイルスの感染爆発をエピソードの中心として展開している映画は既に公開されています。『Corona』はそうした最初の長編映画で、故障したエレベーター内で単一カメラの1テイクのフィルム撮影により低予算で作成された作品です。

現在制作中の段階にある別の映画は、こうした状況下において大きな意味を持つと考えられています。『Songbird』は、感染爆発が収まらずロックダウンがまだ続いている2年後の世界を描いた作品です。制作工程に健康と安全面に関する従来の手法とは異なる手順を導入した最初の例となるため、本作品は主要なスタジオから大きな注目を集めています。

これら以外にも、新たな萌芽が多数出てきています。『アバター2』は、以前中止が決定された映画制作を再開する計画を打ち立て、スタジオは社会的距離を保った状態での作品の制作準備を始めています。Pinewood Atlanta Studiosは、衛生とセキュリティ対策に100万ドル(810,000ポンド)を投資しており、労働者の感染のリスクを減らしています。ハリウッドの大企業がこうした大規模な対策を行っている一方で、小さなスタジオや独立したプロダクションはどうでしょうか?


《The Conversation》

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