Facebookの広告ボイコットは続くか、リーダーらがザッカーバーグCEOと会談も「失望」

トランプ大統領は、Twitterへの投稿に対して「事実確認」のラベルを付けられた事に対して、ソーシャルメディアは言論の自由を守るべきだと主張し是正するための大統領令を発しました。一方で、逆の立場からソーシャルメディアが責任を果たすべきだと団体らは「Stop Hate…

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<p>Photo by Johannes Simon/Getty Images</p>

トランプ大統領は、Twitterへの投稿に対して「事実確認」のラベルを付けられた事に対して、ソーシャルメディアは言論の自由を守るべきだと主張し是正するための大統領令を発しました。一方で、逆の立場からソーシャルメディアが責任を果たすべきだと団体らは「Stop Hate for Profit」を組織し、広告主にボイコットをかけ、プレッシャーをかけています。

Stop Hate for Profit」はフェイスブック社が、Facebookで広がるヘイトや誤情報に効果的な措置を取っていないとして、そうした”ヘイトを利益に繋げるのを辞めよう”を旗印に、FacebookやInstagramへの広告出稿を7月いっぱい停止しようと呼びかけています。この運動にはベライゾン、スターバックス、ユニリーバ、ファイザー、コカコーラ、ホンダなど大手広告主を始めとして1000社以上が参加していると言われます。

「Stop Hate for Profit」を主導するのはFree Press、Color of Change、名誉毀損防止同盟(ADL)、全米有色人地位向上協会(NAACP)、Mozillaなどの団体。火曜日にはフェイスブックからの呼びかけで、これらの団体の代表と、マーク・ザッカーバーグCEO、シェリル・サンドバーグCOO、クリス・コックスCPOなどとの会談が行われました。しかし会談後、各代表は失望を表明し、さらなる運動の加速を明言しました。

「今日、私達はマーク・ザッカーバーグと同僚が行動を起こしていると納得できる説明は一切ありませんでした。Facebookでのヘイトや誤情報を根絶するための計画を約束するのではなく、何度も繰り返されてきた話しかしませんでした。Facebookがユーザー、広告主、そして社会全体に対して責任を追う事を今もなお拒否していることに非常に失望しています」とFree Pressのジェシカ・ゴンザレス氏は声明で延べました

「今日の会議で明らかになったのは、マーク・ザッカーバーグとフェイスブックのチームが、彼らのプラットフォームでの激しい憎悪に対処する準備ができていないということです。ザッカーバーグ氏はFacebook上での白人至上主義者、反ユダヤ主義者、イスラム恐怖症などのヘイトグループに対して、私達が何度も耳にしてきたような昔ながらの言い訳を聞きました。彼らは#StopHateForProfitに参加した多くの広告主の要求に答える代わりに、再パッケージされた古いレトリックを受け入れるように求めています」とNAACPのデリック・ジョンソン氏はコメントしました

これらのグループは統一の要求として次のような事項を求めていますが、会談では幹部の採用のみが前向きに語られたものの、どのような地位であるかは明言されなかったとジョンソン氏は延べています。

説明責任

  1. 公民権の専門知識を持つ経営幹部レベルの採用を含む、永続的な公民権を擁護するためのインフラを構築し権限を与える。この担当者はプラットフォームの設計や決定においてコミュニティへの影響や、過激化やヘイトを引き起こす可能性について必ず考慮する
  2. アイデンティティに基づくヘイトや誤情報について、定期的に第三者による独立した監査を行い、その結果を一般にアクセス可能なウェブサイトで公開する。私達はFacebookを単純に信用することはもはやできず、「透明性レポート」は作成者が独立していなければ意味がありません
  3. 利用規約違反で削除されたコンテンツの隣に表示されていた広告について広告主に返金を行う

良識

  1. 白人至上主義者、反ユダヤ主義者、イスラム恐怖症、ホロコースト否定、反ワクチン、気候変動否定などに焦点を当てたグループは削除する
  2. 過激化やヘイトを止めるのに役立つ常識的なポリシーを制定する
  3. ヘイト、誤情報、陰謀に関するグループや、そのコンテンツをレコメンドしたり拡散することを止める
  4. プライベートグループにおけるヘイトコンテンツに自動的にフラグを立て、人間がレビューするための仕組みを構築する。プライベートグループは友人たちの集まりだけでなく、何十万人もが参加する可能性があります。
  5. 政治家の免責特権を撤廃し、投票に関する誤情報を削除し、いかなる形式でも政治家による暴力の呼びかけを禁止する。社会にとって政治や投票は極めて重要であり、Facebookがここで例外を設ける事は非常に危険です。

サポート

  1. アイデンティティに基づくヘイトやハラスメントの投稿を審査する専門家チームを作る。Facebookのユーザーの42%がプラットフォーム上でのハラスメントを経験していて、その多くは個人のアイデンティティに基づいたものでした。
  2. ヘイトや嫌がらせに直面している個人のユーザーがFacebookのスタッフのサポートを受けられる手段を提供する。自社製品の被害者が助けを求める手段を提供しない企業は他にはありません。

会談を受けてサンドバーグCOOはFacebookへの投稿で、改善に向けて取り組んでいく決意を表明していますが、「あなたは規範を示す責任があり、言葉ではなく行動を起こす必要がある」「家が燃えてるのを見て、家主には家を燃やす権利があると言ってるようなもので、あなたは歴史の間違った側にいる」といった辛辣なコメントが並んでいるようでした。

「フェイスブックはヘイトに断固として反対します。誰もが自分の声を伝えられるプラットフォームであるのが私達の指名ですが、だからといってヘイトを広める事は許されません。私達にはヘイトに対する明確なポリシーがあり、何年もかけ進歩してきましたが、この作業には終わりはなく、ヘイトに満ちたコンテンツを見つけ出して削除することがフェイスブックに課せられた大きな責任だと理解しています」とサンドバーグCOOは延べています。

残念ながら会談では十分な成果はなかったようです。Free Pressは次のようにコメントしています。

「これで終わりではありません。フェイスブックが私達の要求を真剣に受け止めるまで、私達はボイコットを拡大し続けます。今日も、これからも私達はフェイスブックの誤魔化しに気を取られる事はありません。マーク、シェリル、そして彼らの同僚はFacebookを良い場所にするためにすべき仕事が沢山あり、彼らは今すぐにそれを成し遂げる必要があります」

《Manabu Tsuchimoto》

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デジタルメディア大好きな「Media Innovation」の責任者。株式会社イード。1984年山口県生まれ。2000年に個人でゲームメディアを立ち上げ、その後売却。いまはイードでデジタルメディアの業務全般に携わっています。

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