ハイブリッド化された社会を捉える必要がある、SoVeC上川社長・・・メディア業界2021年の展望(14)

新型コロナウイルスによって平時と全く異なる一年となった2020年。みなさんにとってはいかがだったでしょうか? そして2021年に向けてどのような事を取り組んでいくのでしょうか? 今年もMedia Innovationで大変お世話になった皆様に今年の振り返りと来年への展望をお聞き…

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新型コロナウイルスによって平時と全く異なる一年となった2020年。みなさんにとってはいかがだったでしょうか? そして2021年に向けてどのような事を取り組んでいくのでしょうか? 今年もMedia Innovationで大変お世話になった皆様に今年の振り返りと来年への展望をお聞きました。「メディア業界2021年の展望」全ての記事を読む。

ソニーとベクトルグループの合弁会社であるSoVeC株式会社は、動画を簡単に生成する「SoVeC SmartVideo」や、バーチャル展示会のソリューション「そのまま展示会」、ARコンテンツを使った「XR CHANNEL」などを展開。マーケティングをテクノロジーで支援する事を目指しています。同社の上川衛社長に2020年のメディア業界と来年への展望を語ってもらいました。

2020年はメディア業界にとってどのような年だったでしょうか?

2020年は、業界に関わらず、新型コロナウィルス流行の影響下どのような対応をとるかが非常に重要な年でした。メディア業界においては、企業のPR・広告費の削減、イベントの中止や延期などネガティブな面もありましたが、外出自粛やテレワーク、在宅時間の増など、人々の行動様式の変容によるポジティブな影響も大きかったと思います。

特に、TV、PC、スマートフォンの接触時間が増えることで、コンテンツ消費も増加し、また、「巣籠り需要」は動画配信やゲーム、ライブ配信やウェビナー、そしてデリバリーサービスなどの需要を拡大しました。

振り返ってみると、コロナ禍によって人々が強制的にオンラインやDXの価値を再確認した年だったのではないかと思います。

これからのメディアに求められること、直面する課題はどういったことでしょうか?

今後、新型コロナのパンデミック終息がどのような時間軸で進んで行くのか、なかなか先が見えない状況ですが、2020年に起こった、急速なオンライン化・DX化は、「ニューノーマル」という言葉で語られるようにアフターコロナの世界でも元には戻れない重要な変化だったと思います。

特に、働く環境も変わり、オンラインで出来る事の価値が多くの人々のよって再認識された意義は大きく、今後は、実際に人と会ったり場所に行ったりして得られるオフラインの価値と、オンラインの利便性・オンラインだからこそ実現できる新しい価値が、ハイブリッド化されていくんだと思います。メディア業界は、その両方の価値をうまくとらえて、変化に適応していく必要があるのではないでしょうか。

2021年に取り組みたいと考えていることはどういったことでしょうか?

大きな変化の中で、オンラインとオフラインの価値が融合する分野として、XR(Extended Reality)領域のソリューションを追求していきたいと考えています。

私が代表を務めるSoVeCでは、バーチャル展示会のソリューション「そのままシリーズ」と、街の風景とARコンテンツが空間上で連携・作用し合う新しい体験を提供するアプリ「XR CHANNEL」という、二つの新しいサービスを2020年に提供開始しました。

両方とも、リアルな場所(リアルな展示会や商談会、あるいはARコンテンツを出現させる都市空間)とXR上のコンテンツの融合やハイブリッドがテーマになるアプリケーションです。2021年は、これらのXR領域でのユーザー体験をさらに進化させ、XR・デジタルツイン時代の新しい価値追及を進めていきます。

《Manabu Tsuchimoto》

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Manabu Tsuchimoto

Manabu Tsuchimoto

デジタルメディア大好きな「Media Innovation」の責任者。株式会社イード。1984年山口県生まれ。2000年に個人でゲームメディアを立ち上げ、その後売却。いまはイードでデジタルメディアの業務全般に携わっています。

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