メディアから見た東京オリンピック【Media Innovation Newsletter】7/26号

おはようございます。オリンピックに夢中で、というわけではないのですが、日曜日にお送りできずで、月曜日にお送りするニュースレターとなりました。Media Innovationの土本です。今週の「Media Innovation Newsletter」をお届けします。

メディアの未来を一緒に考えるMedia Innovation Guildの会員向けのニュースレター「Media Innovation Newsletter」 では毎週、ここでしか読めないメディア業界の注目トピックスの解説や、人気記事を紹介していきます。ウェブでの閲覧やバックナンバーはこちらから

今週のテーマ解説 メディアから見た東京オリンピック

世界的な新型コロナウイルスのパンデミックにより開催が一年間延期された「東京オリンピック2020」が23日、開幕しました。依然として東京では新規陽性者数が連日1000人を超え、第5波が懸念され、多くの批判もある中での開催となりますが、メディアやテクノロジーの観点から少しチェックしてみました。

開会式で新国立競技場の上空に浮かんだ地球。インテルのドローンテクノロジーが使われた (Photo by Lintao Zhang/Getty Images)

開会式で注目を集めたのは、ドローンでした。1824台のドローンが協調して動くことによって、オリンピックのエンブレムや地球を描きました。これは2018年の平昌オリンピックでも1200台以上が用いられたもので、数千台のドローンを1台のコンピューターで制御する事を可能とするインテルの「Shooting Star」テクノロジーが採用されているそうです。高精細のLEDを4つ搭載しているとのこと。

聖火リレーのトーチや聖火台では水素が使用されている (Photo by Laurence Griffiths/Getty Images)

エネルギーの観点では、水素など再生可能エネルギーが全面的に採用されています。聖火リレーのトーチや、大坂なおみ選手が点火した聖火台にはENEOSの「ENEOS水素」が使われ、CO2を発生させない環境に配慮したオリンピックとなっています。ほか、競技場など49施設にはバイオマス発電や太陽光発電で発電された再生可能エネルギーが採用されているとのこと。

日本経済新聞によれば、開会式でのプロジェクションマッピングのディスプレイや音響設備、照明器具などはパナソニックが提供したということです。

情報発信ではヤフーや新聞各社がオリンピックスポンサーとなっていて、特設サイトを開設して最新情報をリアルタイムで発信しています。開催期間中は各所で交通規制が行われていますが、「ヤフーカーナビ」では「進入禁止エリア」「迂回エリア」「通行規制エリア」などの情報が提供されているということです

USA Todayでは自社のアプリをアップデートし、AR機能で東京オリンピックをフィーチャー。スケートボード選手のトーマス・シャール氏、ロッククライミング選手のカイラ・コンディ氏を取り上げ、オリンピックのコースをバーチャルに表現した空間で、人気のテクニックや彼らのパフォーマンスを再現して視聴できるようになっています。

ガネットのエマージングテクノロジーのシニアディレクターのレイ・ソト氏は「ユーザーがこれまでにないようなスタイルでイベントに没頭できる拡張現実体験を提供できることに興奮しています。私達の最新のインタラクティブストーリーはテクノロジーとストーリーテリングを橋渡しし、ユーザーがいつでも2021年の東京オリンピックを学べるようにします」と述べています。

ワシントン・ポストもARを使ってオリンピックを体感できる仕掛けを提供。こちらのスポーツクライミングを紹介する記事では、記事中にあるQRコードをスマホで読み込むことで、目の前に迫力あるコースが登場し、そこを選手が登っていく様子を見る事ができます。

取材現場ではアリババが報道関係者向けのデジタルピンを配布。これは社会的距離を取らなくてはならない状況で、メディア同士が名刺交換をするためのツールで、様々な種目のデザインをあしらったパターンが、メディアセンターなどで配布されているようです。非接触で連絡先を交換することができるとのこと。

また、朝日新聞は米国の主要メディアが大会組織委員会に対して取材規制が感染防止に必要な範囲を超え、五輪憲章に反するものになっていると抗議を行ったと報じています。コロンビア・ジャーナリズム・レビューも厳しい取材規制や、「バブル方式」の破綻など、メディアを巡る東京オリンピックの対応に対して批判的な記事を公開しています。

ロイター通信によればNBCでのオリンピック開会式の視聴者は1670万人で、過去最も少ない数字だったということです。一方で、ストリーミングの存在感が高まった事を反映して、2018年の平昌オリンピックよりもストリーミングでの視聴者は76%もの増加だったということです。

多額のスポンサー費用で米国での放送を独占するNBCはテレビや同社のストリーミングサイトPeacockなどで7000時間に渡る放送を実施。さらにTikTokやTwitchとのパートナーシップでは若者世代向けの映像配信で視聴者の獲得に繋げようとしています。

◆ ◆ ◆

パラパラと幾つかのトピックを拾ったような形になりましたが、ビッグイベントにメディアがどう関わっていくか、ヒントがあればと思います。

今週の人気記事から TOKYO FMがSpotifyがタッグ

TOKYO FMがSpotifyとの連携を強化し、デジタルとラジオでの広告のセットメニューの販売を開始するということです。非常に精緻にターゲティングできるSpotifyと、広くマスに訴求することのできるTOKYO FMの組み合わせで広告主にアピールしていくとのこと。両者ではコンテンツ面でも連携を進めているとのこと。協業によって新しい層にリーチすることができるのか、注目です。

1.TOKYO FMとSpotifyが提携強化…オーディオ広告配信とスポットCMをセット出稿

2.【7/26(月)開催】メディアのイノベーションと地域連携の今・・・文化放送「浜松町 Innovation Culture Cafe」とコラボ第二弾!

3.サービスに注力しつつ広告収益最大化を達成、「データ便」運営のファルコ×アイモバイルの心地よい協働とは【PR】

4.【7/28(水)開催】Media Innovation Meetup #29 サードパーティクッキー後に備えてパブリッシャーは何をすべきか?

5.パナソニック・深田氏、富士通・イノベーション鈴木氏が語る『大企業のイノベーションとスタートアップ連携の今』とは?文化放送・浜カフェとのコラボ企画

6.DELISH KITCHEN CONNECT、レシピ動画広告のパーソナライズ配信スタート・・・ファーストパーティデータを活用

7.NewsPicksとドコモがドコモの法人会員向けメディアサービス「NewsPicks +d」提供開始

8.スペースファクトリー、音声コンテンツを受発注できるSaaS型サービスの株式投資型クラウドファンディング開始

9.Yahoo! JAPANの独自技術「建設的コメント順位付けモデル」をはてなブックマークが導入

10.Zホールディングス、「デジタル広告事業に関する情報開示の在り方検討会」を設置

会員限定記事から 地域メディアに積極展開、INCLUSIVE藤田社長に聞く

6月特集の記事がなかなか出来ずに今更になってしまいましたが、地域メディアに積極的に展開を進めているINCLUSIVEの藤田社長へのインタビュー記事を公開しました。

同社はテレビ局や出版社と組んで、メディアのDXエージェンシーを標榜してきましたが、近年は地域メディアも積極的に展開。昨年には大阪府枚方市の地域メディアとして有名な「枚方つーしん」を子会社化。他にも複数の地域メディアを展開しています。さらに「枚方つーしん」で採用するローカルメディアCMSも外販を始めています。どんな狙いがあるのか、インタビューを是非チェックしてみてください。

1.INCLUSIVEが地域メディアに見出す可能性や勝算とは?支援・運営を手がける藤田社長に聞く

2.全社を挙げてDXに取り組む神戸新聞社、動画・音声での情報発信も積極展開・・・大町聡取締役に聞く

3.【メディア企業徹底考察 #15】BASEが戦略的に赤字を出そうとしている理由とは?

4.ライバルはグーグル、アマゾン・・・多くのデジタル新聞が抱える「ユーザー体験を損なう欠陥」とは

5.米上位パブリッシャーはコロナをどう乗り切ったか・・・2020年の米国パブリッシャー戦略動向と広告主トレンド

6.読者のゾンビ化を防ぐ「アンバンドリング」とシェア獲得の「バンドリング」・・・両者を使い分けた5つの戦略指針を紹介

7.カリフォルニアの「ローカルニュースサイト」の38%が政治的に偏った運営を行っていることが判明

8.デジタルメディアのサブスク自動更新は適切か?・・・米国では大手企業への提訴も

9.Substackがポッドキャスト立ち上げに資金提供・・・クリエイター呼び込みを強化

10.WordPressの運営会社Automattic、新たにポッドキャストアプリPocket Castsを買収・・・ウェブメディアとの連携強化

編集部からひとこと

最近、ブロックチェーンゲームの『Crypto Blades』を始めてみました。

キャラを作成して、武器をガチャで手に入れ、適当にマッチングする敵(CPU)と戦うだけという、ゲーム性は皆無という内容ですが、$SKILL というトークンが通貨になっていて、敵を倒すと手に入り、キャラ作成や武器ガチャに利用できます。もちろん上場しているので換金する事も可能。

ソーシャルゲーム初期のゲームのように、一日数回ポチポチするだけなのですが、報酬が異常に多く、毎日数百ドルを稼ぐユーザーがざらにいるようです。もちろん $SKILL の価格次第なのですが、ユーザーが爆発的に増えていて、特にフィリピンのような物価の安い地域で流行しているようです。

この成功を受け、次々にブロックチェーンゲームが発表されていっています。ウォレットの作成が必要で、1から始めようとすると相当に手間がかかりますが、次の流行としてウォッチが必要かもしれません。

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Manabu Tsuchimoto
デジタルメディア大好きな「Media Innovation」の責任者。株式会社イード。1984年山口県生まれ。

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