現地時間7月23日、ポッドキャストのアトリビューションプラットフォームを提供する米Podsightsは、第2四半期のポッドキャスト市場の動向をまとめたレポートを発表しました。ポッドキャスト広告を聴いた後にリスナーが製品を購入する確率が2倍になることや、広告の露出頻度が高すぎるという指摘もあることが報告されています。
同レポートで示された調査結果は、ポッドキャストに総額1億5,400万ドル(約169億円)を投じた700ブランドの、約45億回の広告インプレッションと2,800のキャンペーンを含む12カ月間のデータに基づき算出されました。
ポッドキャスト広告を聴いた後に製品を購入する確率が2倍に
同レポートによると、ポッドキャスト広告はマーケティング担当者にとって意味のある投資といえるようです。ポッドキャスト広告への投資1ドルにつき、平均2.23ドルのリターンをブランドは得ており、ポッドキャスト広告を聞いた後に製品を購入するリスナーは業界全体で平均97%増加しました。

Podsightsのパートナーシップ・ディレクターであるMatt Drengler氏は、「ポッドキャスト広告を聞いた後にリスナーが製品を購入する確率は2倍となり、これはポッドキャストが優れたツールであることを証明しています」と述べています。
また、Podsightsが開催したウェビナーでは、ポッドキャスト広告の平均コンバージョン率は、eコマース全体の平均の3.5倍であると発表されました。飲料、アート・メディア&エンタメ、医薬品の広告が最も大きな伸びを示しています。
平均コンバージョン率は0.062%、四半期ごとの変動はほとんどなし
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第2四半期におけるポッドキャストの平均コンバージョン率は0.062%でした。これは、ほかのメディアと比較すると低く見えるかもしれないものの、実際には非常に高い数値であるとしています。このコンバージョン率は、年末商戦で消費者の購買意欲が高まるといわれる第4四半期と同程度でした。

Drengler氏は、「コンバージョン率が四半期ごとに変わらないのは、信じられないことです。これは、アメリカ人がパンデミック中に貯めた1兆6,000億ドル(約175兆円)のお金を使っていることと関係があるのではないかと考えています」とコメントしています。
広告聴取後にサイトを訪問するリスナーの割合がGoogleやFacebookよりも高い結果に
広告を聴いた後にリスナーがブランドのウェブサイトを訪れたかどうかを測定するコンバージョン率は、第2四半期は平均1.58%でした。ポッドキャスト広告では、ブラウザにウェブサイトのアドレスを自身で入力する必要があるにもかかわらず、Google、Facebook、Tik Tok、Twitterよりもコンバージョン率が高いとのことです。
また、レストランのコンバージョン率は3.5%、小売店のコンバージョン率は2.7%など、いくつかの主要な広告カテゴリーではコンバージョン率が非常に高くなっています。

Podsightsは、ポッドキャストを視聴した後、関連アプリをダウンロードした人を示すコンバージョン率も測定しています。第2四半期では、平均インストール率が最も高い業界としてギャンブルが浮上したということです。Drengler氏は、パンデミック時にオンラインギャンブルが増加しただけでなく、ギャンブルを合法化する州が増えており、こうした事実がポッドキャスト広告への反応にも反映されているとしています。
ポッドキャスト広告の露出頻度が高すぎるという指摘も
一方で、一部のリスナーが同じ広告を何度も聴いているという指摘もありました。ポッドキャスト広告のアトリビューションプラットフォームでは、一般的にリスナーに対して2~3回の広告露出回数を推奨しています。
しかし、第2四半期では平均露出回数が3.55回となり、第1四半期から14%増加しました。一部のブランドがターゲットを絞り込みすぎているとし、露出頻度を減らすためにターゲット層を広げても良いのではないかと提案しています。

ポッドキャスト広告に関する前向きな調査結果が見られましたが、一方で広告の適切な露出頻度を保ち広告の効果を最大化するためにも、慎重にターゲティングを行う必要がありそ