英国のニュース消費に関する年次レポート公開・・・若年層のテレビニュース離れと未成年のソーシャルメディア傾倒が顕著に

英国における電気通信・放送等の規律・監督を行う規制機関Ofcomは、英国のニュース消費に関する年次レポートの2021年度版を公開しました。ハイライトとして、16~24歳の若年層が、その他成人層と比べてテレビニュース離れを起こしていることやSNSニュースへの信頼が高くなっていることが報告されています。具体的には、テレビニュースをチェックするのは3分の2以下に留まり、SNSニュースを最も重要と見ている割合は、成人全体では14%であるに対し、若年層は36%にのぼっているとのことです。

また、12歳から15歳の未成年層に関して、ニュースに興味を持つ層は57%であまり例年と変わらないものの、TikTokやWhatsAppなどのソーシャルメディアをニュースソースとして重要視する傾向が増えてきているようです。

若年層のテレビ離れ

[MMS_Paywall]

12歳から15歳の未成年層と16歳以上の成人層に分けて集計された今回の調査では、若年層(16~24歳)のテレビニュース離れが大きく取り上げられています。

成人層全体におけるニュース取得手段はテレビが79%で最も多く、次点はインターネットで73%となっています。一方、若年層に限ると、89%がオンライン上でニュースをチェックしているのに対し、テレビでニュースをチェックしているのは61%に留まっており、成人全体の結果と逆転しています。このように、英国では若年層はテレビニュースよりもインターネットでニュースを取得する傾向が強いことが分かります。

属性別のニュースソース(Ofcomの発表資料「News Consumption in the UK: 2021 report」より)

より具体的なニュースソースを見ていくと、成人全体ではテレビのBBC One(BBCの主要チャンネル)が62%で最も利用割合が大きいのに対し、若年層では46%まで落ち込んでおり、代わりにツイッター(若年層44%/全体24%)やインスタグラム (若年層48%/全体19%) が同程度の利用割合となっています。このように若年層ではソーシャルメディアニュースの利用割合が特に大きくなっていることが分かります。

未成年層のニュース事情

本レポートでは12歳から15歳の未成年層のニュース事情も報告されています。まず、ニュースに興味がある未成年は57%となっており、2018年からあまり傾向に変化はないようです。最も興味を持っている割合が多いニュース分野は音楽関連で57%であり、芸能関係、動物・環境と続きますが、国内の重大ニュースが43%で4位に続いており、時事関連に興味がある層は少なくありません。

最も利用しているニュースソースはテレビが27%で最も高く、次にソーシャルメディアが22%で続いています。こちらもより具体的なニュースソースを見ていくと、テレビのBBC One/Twoが35%で最も利用率が高く、次にYouTube(33%)、Instagram(28%)とソーシャルメディアが続いています。2020年と比べてBBC One/Twoの割合は41%から6%も低下しており、未成年層においてもテレビ離れが起きていることが推測されます。

未成年層のニュースソース (Ofcomの発表資料「News Consumption in the UK: 2021 report」より)

ちなみに、成人全体では1位はBBC Oneで同じですが、続いたのはITV/UTV/STV(それぞれ国内の放送局)、フェイスブック、BBC web/appと、ソーシャルメディアはフェイスブックのみとなっていました。

若年層と未成年層に支持されるソーシャルメディア

若年層、未成年層に共通して言えることは、ソーシャルメディアをニュースソースとして利用する個人が増えていることでしょう。ソーシャルメディアを最も重要なニュースソースと考えている割合は、成人全体では14%であるのに対し、若年層では36%と、大きな開きがあります。

各メディアの利用率に注目すると、成人全体ではフェイスブックが71%で最も多い一方、若年層では55%にとどまっており、全体ではあまり利用率の高くないインスタグラム (若年層60%/全体36%) 、Snapchat (若年層42%/全体16%) やTikTok (若年層27%/全体12%) は比較的利用率が高くなっています。このように、若年層と英国全体平均ではソーシャルメディアへの接し方に大きな違いがあることが分かります。

未成年層についても同じことが言え、前述のように最も利用しているニュースソースで2位となっているだけでなく具体的な利用メディアについても、全体では利用率の低いYouTubeやインスタグラムが比較的高い利用率となっています。さらに未成年層では、2020年から2021年でTikTok(11%→22%)やWhatsApp(16%→21%)の利用割合が急激に増加していることも判明しており、今後新たなトレンドが生まれる可能性もありそうです。

本文中の数値データについては、リンク先のパワーポイント資料を参考にしており、より詳細な調査結果を閲覧することもで

2,779ファンいいね
226フォロワーフォロー
2,470フォロワーフォロー

【12月6日更新】メディアのサブスクリプションを学ぶための記事まとめ

デジタルメディアの生き残りを賭けた戦略の中で世界的に注目を集めているサブスクリプション。月額の有料購読をしてもらい、会員IDを軸に読者との長期的な関係を構築。ウェブのコンテンツだけでなく、ポッドキャストやニュースレター、オンライン/オフラインのイベント事業などメディアの立体的なビジネスモデルをサブスクリプションを中核に組み立てていく流れもあります。

最新ニュース

関連記事