テレビ北海道とテレビ大阪は、放送局間における映像・音声などの素材共有を効率化する「放送素材シェアシステム」を共同で開発しました。この新システムは、6月11日から13日まで幕張メッセで開催される「Interop Tokyo 2025」内のネットワーク技術展示「ShowNet」にて、テレビ朝日と宮城テレビ放送を加えた民放4社による実証実験として一般公開される予定です。
本システムでは、テレビ北海道が独自に開発したマスター監視システム「バーチャルマスターオペレーター」の技術を活用しています。放送局のマスター主調整室業務をはじめ、ビル・工場・インフラ設備などの監視業務をリモート運用できるシステムで、パソコン画面に各種監視ルームを忠実に再現し、実際の監視室にいるのと同様にリモートで監視・制御が可能です。
特長として、既存設備を改修せずに低コストかつ迅速に導入できる点が挙げられます。また、監視制御サーバーを設置することで複数の拠点を同時に統合監視できます。
バーチャルマスターオペレーター技術は業界内でも高く評価されており、令和7年度北海道総合通信局長表彰(2025年)をはじめ、INTER BEE AWARD コンテンツ制作/放送・メディア部門「準グランプリ」(2024年)、映像情報メディア学会進歩開発賞(現場運用部門)(2023年)、民放連賞技術部門「最優秀」(2023年)など、複数の賞を受賞しています。
放送業界では人材不足や設備の老朽化が課題となる中、このようなリモート監視・制御システムの導入により、業務効率化や人的リソースの最適配分が可能になることが期待されます。また、「放送素材シェアシステム」を通じて複数の放送局が素材を共有することで、コンテンツ制作の効率化やコスト削減にもつながる可能性があります。