ニュースの購読を辞めた理由は?【Media Innovation Newsletter】11/8号

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おはようございます。Media Innovationの土本です。今週の「Media Innovation Newsletter」をお届けします。

メディアの未来を一緒に考えるMedia Innovation Guildの会員向けのニュースレター「Media Innovation Newsletter」 では毎週、ここでしか読めないメディア業界の注目トピックスの解説や、人気記事を紹介していきます。ウェブでの閲覧やバックナンバーはこちらから

今週のテーマ解説 ニュースの購読を辞めた理由は?

Nieman Labsが興味深い調査を報告していましたので気になったポイントを紹介します。

読者に「ニュースの購読を辞めた理由は?」と尋ねたもので、約500名の回答から作成。Nieman Labsの読者なのでメディア関係者に偏っているのは明らかですが、それでも注目すべきインサイトがありそうでした。

まずは回答者の内訳。最もカテゴリとして多いのはローカル新聞ですが、単体のメディアとしてはニューヨーク・タイムズが約1/3を占めます。続いてワシントン・ポスト、ウォール・ストリート・ジャーナルとサブスクで成功していると言われる全国紙が続いています。

解約の理由でやはり多いのは「経済的な理由」(31%)です。新型コロナウイルスによる収入源や、度重なる災害によって予想外の出費を強いられて予算削減を余儀なくされた、という回答が目立ちました。中にはこんな回答も。「最初の5ヶ月間は1ドルです(タダみたいなもの)。その後にキャンセルしてまた別のメールで登録するだけなので、永遠に無料です。通常価格は馬鹿けています」これは登録システムに工夫が必要かもしれません。

Twitterなどで「こんな報道をするメディアは許せない」というような声も見かけるところですが、「イデオロギーや政治に関わる部分」(30%)を挙げた方もいました。ニューヨーク・タイムズについて「トランプが選出された後に購読を始めたが、いかに彼らがニュートラルから外れているか気付かされた」「トム・コットン上院議員の論文掲載は許せなかった(人種差別反対のデモを軍隊で制圧するように主張した)」などの意見がありました。逆に議員の論文を掲載したことで編集者が解雇されてしまった事を要因に挙げる人も。

「コンテンツが不足している」(13%)、「読む時間がない」(13%)という回答もありました。

興味深いのは「カスタマーサポートに問題がある」(12%)という声。「契約内容を変更しようとしたけど、メールではできず電話するしかなく、コールセンターにもたらい回しにされた」「ウェブサイトのアクセスが困難で、ポッ不アップに溢れていた」「印刷版を辞めてデジタルにしようとしたけど、カスタマーサービスに電話する必要があった。契約はオンラインでできるのに解約は電話が必要だなんて」などなど。

ロイター研究所のDigital News Report 2021によれば、世界的にニュースに支払いをしている読者は全体の17%。この数字は年々上昇を続けていますが、当然ながら上限はあり、新規登録者を増やすのはもちろん重要ですが、解約を防ぐことも今後は更に重要になっていきます。今回紹介した声は一部ですが、ユーザー調査などを行って、各メディア独自の購読ポイント、解約ポイントを浮き彫りにしていくと良いのではないでしょうか?

今週の人気記事から KADOKAWAがテンセントと資本業務提携

KADOKAWAが中国のIT大手テンセントと資本業務提携すると発表しました。テンセントはKADOKAWAに約300億円を出資し、6.86%を保有する第3位の株主となります。両社はこれまでも提携関係にあり、電子書籍、アニメ、ゲームなどの分野で連携してきました。中国政府がコンテンツへの規制を強める中で、高いシェアを誇るテンセントは岐路にあり、強いIP創出力と日本マーケットでのシェアほ持つKADOKAWAとの関係強化を一つ打開策にしようということでしょうか。

1.KADOKAWAが中国テンセントグループと資本提携・・・約300億円の資金調達を実施

2.Zホールディングスの2Q業績・・・LINE子会社化でメディア事業売上は90%増

3.LINEが「タイムライン」を動画プラットフォーム「LINE VOOM」へ刷新・・・企業アカウントもリーチ拡大

4.個人が知見を発信して対価を得られる「NewsPicks トピックス」開始

5.ユーザベース3Q業績・・・「SPEEDA」「NewsPicks」ともに堅調で売上増

6.サブスクサービス「SlowNews」、Newsweek日本版からのコンテンツ配信を開始

7.JIMA、メディア業界人向けオンラインカンファレンス「Internet Media Days 2021」開催・・・テーマは「明日から使えるDX」

8.ミンカブ、日本経済新聞社と協業開始・・・株探プレミアムの認知拡大を目指す

9.WOWOWの2Q業績・・・加入者減少、コンテンツ投資で大幅減益

10.SMNのDSP「Logicad」がCookieレス対応機能「コンテンツマッチ」をリリース

会員限定記事から 紙媒体が依然優位な米国マーケット

業界誌らが調べた米国の雑誌発行部数ランキングによれば、パンデミックの中でも雑誌は踏み止まり、定期購読部数は過去2年間で1億2500万部から1億1600万部へと7%の減少に留まったということです。発行部数ではメレディスの「ベター・ホームズ・アンド・ガーデンズ」、「ピープル」、ハーストの「グッド・ハウスキーピング」などが上位だったということです。

1.紙媒体が85%と依然優位・・・2021年上半期の米雑誌発行部数ランキング

2.「マンガ、アニメ、ゲーム業界の更なる発展にはブロックチェーンが不可欠」Tokyo Otaku Mode安宅氏がNFTで仕掛ける新しい試みとは

3.LINEが担うNFTの大衆化、その戦略と勝算をLINE Blockchain田中氏に聞く

4.メルカリ出身者が挑むニュースレター・・・企業、研究分野にも取り組み広げる「Medy」

5.【メディア企業徹底考察 #30】クラウドファンディングブームの終焉、勝ち残りをかけるマクアケとCAMPFIREの戦略

6.グーグル親会社アルファベットの3Q業績・・・YouTube有料会員5000万人突破など好調

7.英国パブリッシャーの収益が40.8%増、B2BとB2Cの間には大きな差も・・・2Q業績

8.FOXが米プロレス団体WWEと共同でNFTマーケットプレイスを立ち上げ

9.BBC、公平性を保つための10の計画を発表・・・コンテンツ評価に向けて外部調査員を任命

10.SNSのギャンブル広告は子供や若者にとって大人の4倍魅力的に映る・・・英ブリストル大学

編集部からひとこと

気づけばもう年末が近づいてきました。年末年始くらいは豪華な食事が取りたい、ということで、連年この時期にふるさと納税で色々と買い込んだりしているのですが、今年はウニやイクラが不漁で値上がりしているそうです。こちらは水温が低いことが要因だと見られているそうですが、今年は円安もだいぶ進行しました。資源高もあり、スタグフレーションになるのでは? と最近は気にしています。

《Manabu Tsuchimoto》

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Manabu Tsuchimoto

Manabu Tsuchimoto

デジタルメディア大好きな「Media Innovation」の責任者。株式会社イード。1984年山口県生まれ。2000年に個人でゲームメディアを立ち上げ、その後売却。いまはイードでデジタルメディアの業務全般に携わっています。

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