はてなブログを運営する株式会社はてなの成長性が失われました。2021年7月期の売上高は前期比3.1%増の26億2,100万円、営業利益は10.1%減の2億4,800万円となりました。営業利益率は9.5%で、2019年7月期と比較すると営業利益率はほぼ半分になっています。
■はてな業績推移(単位:百万円)
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はてなブログはWordPressよりも手軽に始められるプラットフォームとして注目され、SEOにも強いとされていたことから、初心者向けのアフィリエイトツールとして利用者を拡大しました。現在でも根強いファンが多く、ユーザー同士の交流が活発なプラットフォームに変わりはありません。
しかし、SNS感覚で手軽に始められ、課金もしやすいnoteが急速にユーザー数を伸ばし、はてなブログのユーザー数は減少しました。はてなはプラットフォームから受託開発へと主力事業を移していますが、人件費が膨らんで営業利益が圧迫されています。受託開発に依存すればそれだけ人件費が膨らむという構図から抜け出すべく、マンガビューワを開発。このシステムは再び会社を成長軌道に乗せるのでしょうか?
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期待をかけていたBtoB向けコンテンツマーケティングが失速
現在、はてなは3つの事業を展開しています。はてなブログのプラットフォームからの課金や広告収入を得るコンテンツプラットフォーム、企業のオウンドメディア構築や運用支援を行うコンテンツマーケティング、受託開発のテクノロジーソリューションです。
2021年7月期はテクノロジーソリューションが売上高全体の54.7%を占めています。かつて主力事業だったコンテンツプラットフォームの売上高は5億円ほどで全体の20.0%に留まっています。2018年7月期からの推移をみると、売上高の変化はほとんどなく、横ばいで推移しているのが分かります。この事業はすでに伸びしろを失っているのです。