パブリッシャー各社がPinterestに続々注目・・・ライフスタイル分野で活況

ビジュアル探索ツールであるPinterestに注目しているパブリッシャーが増えていることをJournalism.co.ukが伝えています。オンライン上のスクラップブックとも言える同サービスは、時系列とは無関係なためニュースパブリッシャーには不向きですが、ライフスタイル分野においては収益創出に貢献できると言われています。こうしたメディアブランドとeコマースの複合が進み、ソーシャルショッピングが飛躍的に普及するとも述べられています。

Pinterestに注目するパブリッシャー

Pinterestは10年以上も前から存在するビジュアル探索ツールであり、ツイッターよりも毎月のアクティブユーザーが多いという調査結果もあり、巨大なプラットフォームです。「ボード」と呼ばれるカテゴリーを作成し、見つけた動画や画像を「ピン」としてボードに保存することができ、オンライン上のスクラップブックを作ることができます。ピンとなる動画や画像は引用元へのリンクが含まれているため、元サイトへのトラフィックを発生させることもあります。

こうしたPinterestはコンテンツの性質上、時系列とは無関係であるため、ニュースパブリッシャーにとってはあまり向かないものでした。しかし最近、ライフスタイルのコンテンツ分野でその相性の良さから、収益創出に向けて注目が集まっています。昨年5月に発表した「アイデアピン」も大きく貢献しているようです。これは、関連する複数の画像や動画をまとめたページを最大20作成することができ、探したい物をユーザーがスワイプで一望することを可能にする機能です。

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「IdeaPin」のイメージ(ピンタレストの発表より)

eコマース分野との複合

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Pinterestのようなメディアブランドとの組み合わせで期待されている分野がeコマースです。ロイター研究所は、ほとんどのメディアブランドは、読者決済、広告、イベント、eコマースを組み合わせた収益モデルを構築すると予測しています。また、Instagram、TikTok、Snapが力を入れてきているソーシャルショッピングが、今年台頭するであろうとも述べています。

このようなeコマースの分野は、Pinterestがそうであるようにライフスタイルのパブリッシャーと相性が良いと言われています。Pinterestなどのプラットフォームがeコマースにより力を入れることで、上記のパブリッシャーはさらに収益を上げることができると考えられます。

ニューヨーク・タイムズも活用

Journalism.co.ukは、パブリッシャー各社がPinterestをどのように活用しているか、その事例を紹介しています。

ファッション、ビューティ、ウェルネスで知られる「Refinary29」は不動産やファイナンスのストーリー用にPinterestを利用しています。同社のPinterestオーディエンスは、通常のPinterestユーザーよりも同社のファイナンス系コンテンツに2倍も親和性があることが分かっているため、同社のフランチャイズコンテンツへその事実を利用しているようです。

「NBC Sports」、「The Times and Sunday Times」、「The Guardian」、「LA Times」、「Daily Mirror」など多くのパブリッシャーはインテリアデザイン、ファッション、フード、旅行や文化の分野でPinterestを利用しているようです。ただし、Pinterestはあまり優先度は高くないようです。

「NPR」や「New York Times」などのニュースパブリッシャーもPinterestを利用しており、後者はバレンタインデーや著名人のポートレートに関するビジュアルで多数のボードを作成したようです。特に「Editorials and Op-eds」というボードには1,000を超えるピンが貼られており、このアカウントは30万未満のフォロワーながら毎月1,000万回以上の閲覧数を生み出しているとのこ

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デジタルメディアの生き残りを賭けた戦略の中で世界的に注目を集めているサブスクリプション。月額の有料購読をしてもらい、会員IDを軸に読者との長期的な関係を構築。ウェブのコンテンツだけでなく、ポッドキャストやニュースレター、オンライン/オフラインのイベント事業などメディアの立体的なビジネスモデルをサブスクリプションを中核に組み立てていく流れもあります。

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