ソフトバンクG、過去最大1.7兆円の赤字 2022年3月期・・・株式評価減が響く

ソフトバンクグループは12日、2022年3月期の連結決算(国際会計基準)を発表した。最終損失が1兆7080億円となり、同社では過去最大の赤字だった。米国金利の上昇などでテック株が下落し、保有株の評価損を計上した。

傘下の投資ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」などの投資損失は3兆4347億円だった。韓国ECのクーパン、中国配車アプリの滴滴出行(ディディ)といった投資先の上場企業の株価が大幅下落し、含み損益が減少した。

12日の決算説明会の冒頭で、孫正義会長兼社長は「世界が混沌としている。我々が取るべき行動は徹底した守りだ」と述べた。「(保有資産などの)継続的な資金化で手元に現金を厚く積み、新しい投資は厳格な基準で実行する。これが今日の結論だ」とした。

具体的には、今後2年間で償還する社債1兆3000億円に対して「手元の現金はその倍以上の2.9兆円あり、安全運転している」と強調した。また投資基準については、「中国では投資リスクをできるだけ慎重に検討する。(投資は)ゼロではないが、小さな案件になる」とコメントした。

SVFなど投資事業の累計の利益は3兆473億円となり、2021年10〜12月期時点からほぼ半減した。孫氏は「元本に対してはまだ3兆円の利益があるのも事実」としつつ、「(減少は)会計上の純利益より大きな問題と捉えている」と話した。

最重要指標とするNAV=時価純資産(保有株式価値から単体の純有利子負債を差し引いて算出)は3ヶ月で約8000億円減の18兆5000億円だった。孫氏は「ピークより下落したが、まだ十分」との認識を示した。中国アリババ集団の保有株が2020年9月末は全体の6割を占めたが、22%まで低下した。「1社のアセットに依存する状況ではなくなった」(孫氏)

投資先企業数は475社となった。投資先のIPOは2022年3月期に27件で過去最多だったが、孫氏は「この1年は新規公開の数も減るだろうと保守的に見ている」とした。

一方で、孫氏は「『しおらしくしていていいのか』と言われそうだが、なるべく新しいお金を使わずに攻めも進める」として、グループで100%の株式を保有する英半導体設計大手アームの上場準備をさらに進める考えも示した。

(記事提供元: 経済をシンプルに解説するStrainer)

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