KADOKAWAがゲーム・海外事業・電子書籍の高成長で過去最高売上高 2023年3月期第1四半期決算発表

株式会社KADOKAWAが2022年7月29日(金)、2023年3月期 第1四半期決算を公表しました。

決算全体として、前年同期比で売上高が+23.5%、営業利益が+63.9%と伸長し、2014年10月のKADOKAWAとドワンゴの経営統合以降、四半期ベースで過去最高の売上高・営業利益・営業利益率を達成しました。

海外売上高は、北米とアジア地域を中心に前年同期比+187%と大きく伸長し、海外売上高比率は過去最高の26.4%に拡大しました。要因として、記録的大ヒットとなったゲーム作品「ELDEN RING」の海外向け出荷に関連する収益、海外出版事業の前年同期比+64%の増収、電子書籍自社ストアでの課金ユーザー増加や配信向け映像作品の成長が貢献しました。

セグメント別では、出版が、売上高319億53百万円(前年同期比0.5%減)、営業利益25億71百万円(前年同期比52.3%減)となり、電子書籍の継続成長に加え、異世界ジャンルのコミックなどの好調、国内外の自社ストアの課金ユーザーの増加が要因となりました。

紙書籍では、北米の戦略子会社であるYEN PRESS, LLCなどの海外事業の高成長が継続。国内では「20代で得た知見」(ノンフィクション)や「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~(17)」「大蛇に嫁いだ娘(2)」(コミック)、「黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続」(一般文庫)などの販売が好調に推移。一方、紙書籍市場の継続的な縮小傾向に加え、新刊点数が前年同期比で減少したことや、人気タイトルの権利許諾収入による利益貢献が大きかった前期からの反動により、全体で減収減益となりました。

映像は、売上高92億56百万円(前年同期比4.0%増)、営業利益6億80百万円(前年同期比34.5%減)で、アニメ「勇者、辞めます」「盾の勇者の成り上がり」などの国内向け配信作品や海外向け作品の売上が伸長。劇場向け作品では、実写映画「とんび」が増収に寄与した一方、新作本数増加に伴う費用増や、人気タイトルの利益貢献が大きかった前期からの反動で、減益となりました。

ゲームは、売上高125億82百万円(前年同期比570.9%増)、営業利益65億69百万円(前年同期 営業損失1億16百万円)。記録的大ヒットとなったゲーム作品「ELDEN RING」の海外向け出荷関連収益などが増収増益に大きく貢献したほか、(株)スパイク・チュンソフトでの共同・受託開発事業も堅調に伸長しています。

Webサービスは、売上高57億26百万円(前年同期比6.5%増)、営業利益3億69百万円(前年同期比38.3%減)で、動画コミュニティサービスでは、動画配信サービス「ニコニコ」の6月末時点での月額有料会員(プレミアム会員)は137万人で前年6月末から減少しましたが、動画にアイテムを贈る「ギフト」や広告などの伸長で増収となりました。

各種イベントの企画・運営では、「ニコニコ超会議2022」をリアル会場でも開催。コロナ禍ながら約9.6万人が来場し、チケット・物販売上が増収に貢献しましたが、大規模開催のための費用増加で全体では減益となりました。

教育は、売上高32億77百万円(前年同期比11.0%増)、営業利益8億4百万円(前年同期比15.4%増)で、クリエイティブ分野の人材育成スクールを運営する(株)バンタンでは、前期の新コース設立や展開地域拡大などで生徒数が増加し、増収増益に貢献。また、インターネットによる通信制高校「N高等学校・S高等学校」でも生徒数が増加しており、同校などに教育コンテンツ・システムの提供を行う(株)ドワンゴの収益に貢献しました。

その他事業では、売上高37億95百万円(前年同期比51.6%増)、営業損失10億22百万円(前年同期 営業損失11億89百万円)。IP体験施設の運営では、角川武蔵野ミュージアム、EJアニメホテル、イベントホール、飲食店などの商業施設を展開するところざわサクラタウンにおける施設横断的なイベント開催が奏功したことなどにより、増収となりました。MD事業においては、EC販売を中心に増収となりました。

2023年3月期 通期連結業績見通しについては、2022年5月の公表から変更はないとしています。

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Nakashima Takeharu
「佐賀経済新聞」編集長。県内で開催のアジア最大級の熱気球大会では広報・メディア対応とネットコミュニケーションを担当。

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