3日に投票が行われたアメリカ大統領選挙で、数日間に渡る開票作業の結果、元副大統領のジョー・バイデン氏が1月に大統領に就任する事がほぼ確実という情勢になりました。今回の選挙は史上稀に見る激戦と言われ、投票率もこの100年で最も高く、約1億6000万人が投票したということです。
毎週実施しているライブ番組「Media Innovation Live」の8日の回では、トランプ氏が大統領を務めた4年間の米メディアの動向を総括するとともに、バイデン氏が大統領になったと仮定した上での今後の展望を、株式会社コンテンツジャパン代表の堀鉄彦氏が語りました。(聞き手: 株式会社メディアインキュベート 浜崎正己代表)
会員の方にはライブ番組の主な内容をテキストでもお届けします。(動画の内容をそのまま書き起こしたものではありません)
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目次
選挙で明確になったメディアの課題
はじめに、堀氏は「この4年間、トランプ大統領と闘う中でメディアの課題が明確になってきました。そこで、大統領選挙までの対応を確認し、メディアは今後どのようになっていくべきか現段階での考えを説明したい」と話しました。
───バイデンの当選確実という情勢です。
堀 まず、印象に残ったのがジャーナリズムに関する研究・教育機関として著名なPoynterがと明確に「アンチメディア大統領時代の終焉」と今回の選挙を位置付けた記事を掲載していたことです。 選挙期間中も3大TVネットワークを会見から閉め出したり、激しい対立が続いていたようですしね。
すごいのは時にはトランプ派のメディアにも噛みつくことでしょうか。トランプをずっと支持してきたFoxに対しても、バイデン当選確実と報道したとたん大批判したり、かなり大変です。
大統領がメディアと対立し続けたトランプの時代は、SNSがニュースソースとしてその影響力を拡大していった時代でもあり、それゆえ自分とは異なる意見に触れづらく、かつ対立があおられやすい時代でもあったといえるのではないでしょうか。
そんな中で、両候補をつなぐような建設的な議論の場をメディアが提供することは結局できなかった。もちろんトランプ氏の姿勢も影響したとは思いますが・・・。これからいろいろな分析がされていくはずですが、建設的な議論がほとんどされなかった大統領選ということで記憶に残りそうですね。
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ビジュアル報道が目立った米メディア、SNSもファクトチェック、メディアバイアスも“報道”される時代の到来
───メディアの動きとして目立ったのは?