米国のニュース専門放送局であるFox Newsは、気象放送専門の新たなニュースメディア「Fox Weather」を来月にも正式にリリースする見込みです。
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気象情報を24時間ストリーミング
ストリーミングに関するニュースを発信するFIERCE Videoが報じるところによれば、「Fox Weather」は主にモバイルアプリとWebサイトの2媒体から構成される広告付きストリーミングサービスとして、気象関係の最新情報をいち早くかつ正確に利用者に提供する、とのこと。また、没入型モバイル3Dレーダーをはじめとする最新技術や米国全土の10万台以上の高解像度カメラなど、最新のテクノロジーを活用するようです。
同社は、競合するテレビ局やネットワークにおいて気象関係の業務に従事していた優秀な人材を集め、今回の「Fox Weather」の立ち上げに至っています。
Fox Newsは2020年にも広告付きストリーミングサービスTubiを4憶4000万ドルで買収しており、今回の発表はそれに次ぐストリーミングサービスへの進出とみられます。
米国で気象情報に高い関心
米国では、太平洋岸での熱波による最高気温記録の更新や、コロラド州での山火事などの異常気象が発生し、気候変動・気象情報への関心がZ世代を中心に高まっています。米ピュー研究所(Pew Research Center)が5月に行なった調査では、共和党員および共和党寄りの無党派層の59%が、人間の活動が気候変動に寄与していると考えていることがわかりました。
米ニューヨーク・タイムズは、気象情報は米国のメディア業界で注目の分野であることを指摘。実際に、米放送局のCNN、MSNBC、Foz Newsの2021年上半期の平均視聴率は前年比で38%減少しているなか、天気予報チャンネルの視聴者数は7%増加しているとのことです。
歴史ある気象情報チャンネルのWeather Channelも新たなストリーミングサービス「Weather Channel Plus」のローンチを第4四半期に予定しており、気象情報分野が米メディア企業の新たな土俵となりそうです。