現地時間9日、米メタは、ソーシャルVRプラットフォーム「Horizon Worlds」を米国とカナダの18歳以上を対象に無料で一般公開したことを発表しました。
「Horizon Worlds」は、プレイヤーが変化していくバーチャル空間を探索できるだけでなく、自身のアバターやオブジェクトを作成したり、ほかのプレイヤーとコミュニケーションを取ったりできるソーシャルプラットフォームです。2019年に初めて発表された同プロジェクトは、2020年から招待制ベータとして提供されていました。
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クリエイターへの賞金も
メタは、1年間の招待制ベータ機関中に得られたフィードバックをもとに、クリエイターツールの改善を行ってきました。一般公開に合わせ、クリエイターがゲームなどを作るための新たな仕組みやテンプレートを公開。また、チーム制のシューティングゲームも発表しています。
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今回の発表では、10月に発表した1000万ドル規模の「Horizon」クリエイター支援ファンドの続報も発表されました。ファンド設立後、賞金付きのクリエイターコンペティションが開催されており、その受賞者を今月末に発表するとのことです。
またメタは、Instagramが若年層ユーザーへ与える悪影響について激しい非難を受けるなど、ユーザー保護の取り組みについて注目を集めています。「Horizon Worlds」は18歳以上を対象としているほか、Facebookの「コミュニティ規定」や「Conduct in VR Policy(VRにおける行動規範)」を遵守することを呼び掛けています。プラットフォーム内でいやがらせや差別、ストーカー行為を受けた際には、相手をブロック、ミュート、報告したり、いつでも「セーフゾーン」と呼ばれるパーソナルスペースに移動したりといったことが可能です。
「メタバース企業」への一歩
メタは2018年にVRハードウェア/ソフトウェア開発企業のオキュラスを買収し、傘下に取り込みました。今年に入ってからはメタバース実現への取り組みを加速させ、10月には欧州でのメタバース人材1万人の雇用計画を発表。今四半期からはAR/VR製品を開発する「Facebook Reality Lab」を「Reality Lab」へ改称し、独立したセグメントとして分離することも明かしました。
10月末、 フェイスブックからメタ(Meta)へと社名を変更。CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は、「今後10年以内に10億人がメタバースを利用することを目指す」と述べました。「ソーシャルプラットフォーム企業」から「メタバース企業」へ生まれ変わろうとしている同社にとって、今回の「Horizon Worlds」一般公開は重要なマイルストーンと言えそうです。