産経新聞社は27日、電通グループのデータアーティスト株式会社とAIを利用して紙面広告の割付を自動化するシステムを共同開発したことを明らかにしました。
従来、紙面広告は同一業種や同一製品が重ならないよう配慮し、「オリンピックで日本代表が勝ったら」などクライアントの要望によって掲載日や掲載面など様々な条件を勘案しつつ人の手によって配置してきました。しかし、近年では通販など直接的な反応を求める広告主が増加しており、広告主からの要望も多様化、複雑化しています。そこで、そうした広告主の要望をAIが瞬時に判断し、紙面配置することにより、膨大な時間と手間をかけていた割付作業を最適化するとしています。
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同社は、今後AIにさまざまな外部情報を認識させることによって、梅雨明けのタイミングでアイスクリームの広告を出稿する等時宜を得た広告を掲出し、広告効果を最適化する構想を持っています。また、AIによる割付システムを紙面広告以外の媒体にも拡大することで、メディア業界のDXを進めるとしています。
データアーティスト株式会社は、マーケティング領域におけるAIを活用したデータ活用に強みを持つ企業で、AIモジュール、マーケティングAIソリューション、DX支援の3つを主要事業としています。2013年に設立され、モンゴルに開発拠点を有するほか、東京大学未来ビジョン研究センターとの共同研究を継続的に行っています。