マンガに特化したAI翻訳技術の研究開発を行うMantra株式会社(東京都文京区、代表取締役:石渡 祥之佑)は、総額約7.8億円の第三者割当増資を実施しました。引受先には、株式会社小学館、株式会社KADOKAWA、株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス、MPower Partners Fund L.P.、鉄緑会創業者の浜垣 剛氏が含まれます。
Mantra株式会社が提供する『Mantra Engine』は、マンガや縦スクロールコミックに特化したクラウド翻訳ツールです。AI技術を活用し、翻訳作業を効率化することで、従来の翻訳ワークフローを半分以下に圧縮しています。現在、国内外の出版社や翻訳会社、配信事業者に利用され、月間のべ10万ページ(単行本換算で約500冊分)のマンガ/コミックの翻訳に活用されています。
同社の技術は、マンガ画像認識と大規模言語モデル(LLM)を統合し、キャラクターやストーリーの情報を考慮した高精度な翻訳を実現しています。この成果は、人工知能分野のトップ国際会議AAAIにフルペーパーとして採択され、アジア太平洋機械翻訳協会からAAMT長尾賞を授与されるなど、学術的にも高く評価されています。
今回の資金調達により、Mantra株式会社はマンガAI翻訳の精度向上を目指し、さらなる研究開発を進めていく予定です。また、小説やゲーム、動画等への翻訳技術の転用も本格化させ、エンタメ翻訳の省力化に向けた取り組みを強化します。
代表取締役の石渡 祥之佑氏は、「エンタメから言語の壁をなくしたい」という目的意識を持ち続けており、今回の資金調達をきっかけに、マンガ・ゲーム・小説のAI翻訳の研究開発・事業推進を一層加速させると述べています。