株式会社朝日新聞社と東京科学大学、産総研グループ（産業技術総合研究所と株式会社 AISTSolutions）が、記事データを活用した大規模言語モデル（LLM）の開発に向けて共同研究契約を締結しました。この産学連携プロジェクトの目的は、日本語LLMの性能を向上させることです。
朝日新聞社は、メディア研究開発センターが保有する記事データと自然言語処理に関する知見を提供します。東京科学大学情報理工学院の研究チームと産総研の研究チームは、日本語LLM「Swallow」シリーズの開発で培ったノウハウを活用し、記事データを用いたLLMの性能向上と効果検証を担当します。
研究には、産総研が保有するAI橋渡しクラウド（ABCI）を活用。これにより、大規模な計算リソースを用いた効率的な研究開発が可能となります。共同研究の成果は、国内外の学会や研究会で公開する予定です。最新のAI技術、特に自然言語処理分野での研究を推進し、日本国内の生成AI技術の利活用やデジタルトランスフォーメーション（DX）に貢献することを目指すとしています。
今回の取り組みは、日本のAI研究開発における産学連携の新たな形として注目されており、メディア企業が持つ膨大な言語データと、大学・研究機関の先端技術を組み合わせることで、日本語に特化したLLMの開発が加速することが期待されます。
また、本共同研究は日本のAI技術の国際競争力強化にも寄与する可能性があります。海外の大手テクノロジー企業が主導するLLM開発の分野において、日本独自の強みを生かした研究開発が進むことで、日本語処理に特化した高性能なAIモデルの実現に近づくかもしれません。
本共同研究の進展により、日本語でのAIとのコミュニケーションがより自然で高度なものになる可能性があります。実用的な成果が得られた場合、ビジネスや教育、医療など様々な分野でのAI活用の幅を広げ、デジタル化を促進する一助となるでしょう。
