マツキヨココカラ&カンパニーは14日、化粧品コミュニティメディア「LIPS」を運営するAppBrewを完全子会社化すると発表しました。買収額は非公表ですが、12月2日に株式譲渡を完了する予定です。買収金額は非開示。
AppBrewは2016年に設立されたスタートアップ企業で、特に若い世代から支持を集める化粧品レビューメディア「LIPS」を運営しています。ユーザーの実際の使用感や口コミ情報が集まるプラットフォームとして、化粧品選びに欠かせない存在となっています。
同社のは、今回の買収について「リアルとデジタルを融合した新たな顧客体験創出をさらに加速していく」と説明しています。マツキヨは「プラットフォーム構想」を掲げており、実店舗とECの情報を統合し、データに基づく最適なサービス提供を目指しています。
具体的には、LIPSに蓄積された化粧品に関するユーザーの嗜好データやオンライン行動データを、マツキヨグループの顧客データと統合。ドラッグストア、調剤薬局、EC、アプリなどあらゆる接点で、顧客一人ひとりに最適化された商品やサービスを提案していく考えです。
マツキヨは「美しさと健やかさを、もっと楽しく、身近に。」というグループビジョンを掲げており、今回の買収をその実現に向けた重要な一歩と位置付けています。化粧品・美容分野は同社の重要な事業領域の一つであり、LIPSの持つデジタル資産を活用することで、より深い顧客理解と提案力の向上を図る狙いがあります。
本件は、実店舗を持つ大手小売企業がデジタルメディアを買収する珍しい事例です。メディアとしてのLIPSの価値を維持しながら、いかにマツキヨの店舗ビジネスと融合させていけるか、今後の展開が注目されます。