テックファームは、昭文社が運営する旅メディア「ことりっぷWEB」において、AIを活用したユーザー投稿のレコメンド機能の実装を支援したと発表しました。サイトの世界観やデザインの統一感を損なうことなく、ユーザーの閲覧体験の向上・投稿回遊の自然な促進を目指しています。
「ことりっぷWEB」は、旅好きな女性を中心に支持され、ユーザー投稿写真が50万点を超えているメディアです。新機能では、サイト訪問者がユーザー投稿を閲覧すると、投稿内の画像・情報をAIが分析し、雰囲気の似た画像を過去の投稿データベースから検索します。検索した関連性の高い別の投稿をページ下部に「ことりっぷAIのおすすめ」として表示する仕組みです。
ユーザー投稿内の画像・情報の類似度のほか、投稿された地域や投稿日時も考慮し、「似た雰囲気で、近くのエリアで、なるべく新しい」投稿を優先的に表示します。この仕様により、サイト訪問者は自分の関心に近い投稿を心地よく辿れるようになり、投稿したユーザー側にとっても自分の投稿がより多くの人に届くチャンスが広がります。
テックファームでは以前よりAIを活用したユーザー体験の向上に取り組んでおり、今回はSIやAIの知見を活用し、ことりっぷの世界観を保ちながら価値を高める技術支援を展開しました。ブランド体験を技術で支え、柔軟かつ自然なレコメンド体験を実現しています。
今回の開発で必要とされていたのは、画像の類似度だけでなく情報をを総合的に評価することにより、訪問者の直感に寄り添う「似た雰囲気」の投稿を自然に表示する仕組みです。当初活用を検討していたVector Search(Vertex AI)のみではベクトルデータに対してメタデータを効果的に掛け合わせることができなかったため、RDBを組み合わせたアーキテクチャを設計しました。
テックファームでは、観光分野や地域コミュニティにおける情報流通の改善、滞在・回遊の促進といった課題に対し、AI技術が果たせる役割は大きいと考えています。今後は、自治体や地域企業との連携も視野に入れながら、地域の魅力とユーザーの関心をより良い形で繋ぐための技術支援・プロダクト開発を進めていく予定です。AIテクノロジーで地域の情報発信や価値創造を支える存在として、地方創生に貢献していく意向を示しています。