米国の2大新聞社のオーナーが、対照的な姿を見せています。一方はメディアの独立性と民主主義への貢献を訴え、もう一方はトランプ大統領の外遊に同行し権力に接近。メディアのビジネスモデルが揺らぐ中で、経営者の異なる選択が鮮明になっています。
対照的な行動が示す2つの哲学
ニューヨーク・タイムズのA.G. サルツバーガー社主は今月13日、ノートルダム大学で「自由な国民には自由な報道が必要だ」と題した講演を行いました。サルツバーガー氏は「自由で独立した報道の役割が直接的な攻撃を受けている」と警鐘を鳴らし、「アメリカの民主主義を250年近く成功させてきた特別な公式が脅かされている」と訴えました(ニューヨーク・タイムズ)。
一方、ロサンゼルス・タイムズのオーナー、パトリック・スン・シオン氏はサウジアラビアでトランプ大統領とムハンマド・ビン・サルマン皇太子との会談に同席。SNSに動画を投稿し、「大統領と皇太子にお会いできて光栄だった」と述べました。スン・シオン氏は「サウジとはがん治療という共通の目標がある」と述べ、「素晴らしい」会議だったと称賛しました(ポリティコ)。