対照的な道を歩む米メディア大手オーナー・・・NYTとLAタイムスの明暗

・ニューヨーク・タイムズは独立報道の重要性を強調し、民主主義を守る活動を行う
・ロサンゼルス・タイムズのオーナーは権力に接近し、メディアを右寄りに変化させている
・両紙の対照的な選択は、米メディア業界全体への影響が注目される状況を示している

メディア ジャーナリズム
対照的な道を歩む米メディア大手オーナー・・・NYTとLAタイムスの明暗

米国の2大新聞社のオーナーが、対照的な姿を見せています。一方はメディアの独立性と民主主義への貢献を訴え、もう一方はトランプ大統領の外遊に同行し権力に接近。メディアのビジネスモデルが揺らぐ中で、経営者の異なる選択が鮮明になっています。

対照的な行動が示す2つの哲学

ニューヨーク・タイムズのA.G. サルツバーガー社主は今月13日、ノートルダム大学で「自由な国民には自由な報道が必要だ」と題した講演を行いました。サルツバーガー氏は「自由で独立した報道の役割が直接的な攻撃を受けている」と警鐘を鳴らし、「アメリカの民主主義を250年近く成功させてきた特別な公式が脅かされている」と訴えました(ニューヨーク・タイムズ)。

一方、ロサンゼルス・タイムズのオーナー、パトリック・スン・シオン氏はサウジアラビアでトランプ大統領とムハンマド・ビン・サルマン皇太子との会談に同席。SNSに動画を投稿し、「大統領と皇太子にお会いできて光栄だった」と述べました。スン・シオン氏は「サウジとはがん治療という共通の目標がある」と述べ、「素晴らしい」会議だったと称賛しました(ポリティコ)。

サルツバーガー氏の懸念―反メディア「プレイブック」


《Manabu Tsuchimoto》

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デジタルメディア大好きな「Media Innovation」の責任者。株式会社イード。1984年山口県生まれ。2000年に個人でゲームメディアを立ち上げ、その後売却。いまはイードでデジタルメディアの事業統括やM&Aなど。メディアについて語りたい方、相談事など気軽にメッセージください。

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