エンターテイメント企業のGENDAは2025年7月23日、株式会社カカクコムが保有する株式会社エイガ・ドット・コムの全発行済株式(4,620株)を取得し、完全子会社化することを同日開催の取締役会で決議したと発表した。株式の取得は2025年8月1日を予定している 。
GENDAグループで映画配給を担うギャガ株式会社との連携を深め、コンテンツの企画からプロモーション、マーチャンダイジングまでを一気通貫で行う体制を構築し、映画事業の強化を狙う。
ギャガとの連携強化、オンライン・オフライン横断のプロモーション展開を加速
今回の買収における最大の狙いは、GENDAグループ内のシナジー創出にある。中核となるのは、映画配給事業を手がけるギャガと、月間数千万規模のユーザーを抱える「映画.com」との連携だ 。今後、ギャガが配給する作品のプロモーションを「映画.com」上で強力に展開することが可能となるとしている。
1998年に開設された「映画.com」は、最新ニュースや国内最大級のレビュー機能を通じて、熱量の高い映画ファンのコミュニティを形成してきた日本を代表する映画情報総合サイトである 。2025年3月期の売上高は403百万円に上る。この強力なオンラインプラットフォームに対し、GENDAグループが保有するアミューズメント施設の屋外ビジョンや、カラオケルームのモニターといったオフライン広告チャネルを組み合わせることで、オンラインとオフラインを横断した多角的な広告・宣伝展開を目指すという。
データ活用とM&Aでエンタメ経済圏を拡大
GENDAは、今回の買収により、配給のギャガ、宣伝のエイガ・ドット・コム、そしてグッズ企画開発の株式会社フクヤが一体となり、映画コンテンツの価値を最大化するための垂直統合モデルを確立した。エイガ・ドット・コムが保有する最新のユーザー動向やレビューデータをグループ内で活用することで、より市場のニーズに合致したコンテンツ調達やサービス開発が期待される。
今回のエイガ・ドット・コムのグループ参画は、GENDAにとってコンテンツ&プロモーション事業領域における重要な一歩となりそうだ。なお、本件に伴う同社の2026年1月期連結業績への影響は軽微であると見込まれている。同社は今後も積極的なM&Aを通じてエンターテイメントのネットワークをグローバルに構築していく方針だ。