株式会社カヤックは、グローバルで急成長を遂げるゲーム内音声広告プラットフォームを開発・提供するSonic Odeeo Ltd.に対し、2025年9月4日付で米ドル100万ドル(約1.5億円)の出資を実施したことを発表しました。
日本企業初の参画、CVC活動の一環として実施
本出資は、日本企業として初めてOdeeoへの参画であり、カヤックの推進するコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)活動の一環となります。今回の出資により、Odeeoはグローバル市場での事業拡大および音声広告プラットフォームのさらなる開発を加速させるとともに、日本市場への本格導入も視野に入れています。
カヤックは、自社のハイパーカジュアルゲーム事業においてOdeeoの技術を活用し、プレイヤーの体験を損なわない新たな収益モデルの構築と、国内外における広告収益拡大を目指します。
革新的な音声広告技術で業界に新風
Odeeoは、モバイルゲームに特化した音声広告技術を開発・提供し、従来のフルスクリーン広告に代わる「ゲーム体験を妨げない広告フォーマット」として世界的に注目を集めています。すでに欧米や中東を中心に1500タイトル以上のモバイルゲーム及び主要モバイルゲーム会社に導入され、急速にプレゼンスを拡大しています。
また、ゲーム分野のトップVCであるPlay Venturesや韓国最大級のアーリーステージ投資ファンドの一つであるAtinum Investmentなども出資しており、これまでの総調達額は1,500万ドル(約22億円)に達しています。
市場規模と成長性への期待
モバイルゲームにおける音声広告は、BGMのように自然に再生できるため、従来のコンテンツ遮断型広告に比べてプレイヤーの体験を損なわずに広告効果を発揮できる新たな広告手法として注目を集めています。
2029年のゲーム内広告市場は約24兆円規模に達すると見込まれており、そのうちOdeeoは音声ベースの非侵入型広告市場を約1,200億円規模と想定しています。
実証済みの効果と今後の展開
カヤックでも、2025年に自社のハイパーカジュアルゲーム「Eating Simulator」にて、Odeeoの広告フォーマットを試験導入した結果、広告収益が約4%増加する結果が確認されました。ゲーム進行を止めずに収益化を図れる設計は、継続率への影響を最小限に抑えつつ収益向上を実現できる点で有効であると考えています。
今回の出資を通じ、カヤックは以下の取り組みを推進していくとしています。
Odeeoと連携し、日本市場におけるゲーム内音声広告の普及を加速
自社タイトルへのさらなる導入・収益モデル拡大
国内外のパートナー企業との協業強化による成長戦略の実現
カヤックは、CVC活動を通じて将来性あるグローバル企業との連携を深め、株主価値の最大化と持続的な成長につなげてまいります。
関係者コメント
Odeeo CEO Amit Monheit氏のコメント
「カヤック社からの出資は、当社の取り組みに対する強い期待の表れであると受け止めています。カヤック社が持つクリエイティブな企業文化や、コミュニティを第一に考える理念には大いに共感しており、これらは当社が目指すゲーム内広告の戦略とも通じるものです。今後、ユーザーにとって有意義で親しみやすい広告体験を広げていくにあたり、カヤック社の視点が加わることは大きな力となります。これからも当社のミッションに忠実であり続けることで、当社の提供する素敵なユーザー体験が世界中に広がっていき、成長し続けることができると信じています。」
面白法人カヤック 代表取締役CEO 柳澤大輔氏のコメント
「モバイルゲーム体験を損なわない革新的な音声広告技術を提供するOdeeoへの出資を通じ、私たちは次世代の広告体験と収益モデルの可能性に大きな期待を寄せています。Odeeoは既に欧米を中心に1500以上のゲームに導入されており、音声による『ながら視聴』広告フォーマットで急成長中です。私たちのゲーム事業においても導入実績があり、広告収益向上に寄与しています。今後は日本市場への展開支援や技術連携を通じ、Odeeoとともに『面白くて持続可能な広告体験』の創造に取り組んでまいります。」