デジタルオーディオ広告事業を展開する株式会社オトナルは、2025年9月24日、年代別のメディア利用実態をまとめた「国内Z世代 音とメディアの利用実態調査」レポートを公開しました。
同調査は、Z世代と他年代を比較することで相対的な分析を行うため、15歳から79歳の男女10,000人を対象として2025年6月に実施されました。1日あたりのメディア別接触時間、車内での利用メディア、ワイヤレスイヤホンの利用状況などを包括的に調査しています。
Z世代の音楽利用時間が最長、年齢とともに減少傾向
調査結果によると、音楽メディアの利用時間は若年層ほど長い傾向にあり、特に10代が最も長時間利用していることが明らかになりました。年齢が上がるにつれて、音楽の利用時間は減少する傾向があります。
動画サービスについても同様の傾向が見られ、10代と20代では過半数が1日1時間以上利用しており、活発な利用実態がうかがえます。特に注目すべきは、10代・20代の2人に1人が動画サービスを毎日1時間以上利用している点です。
SNS利用は10代で最も活発、1日2時間以上が3割超
SNSの利用時間についても若年層ほど長い傾向があり、特に10代の32.7%、20代の23.6%が1日2時間以上SNSを利用していることが判明しました。これは他の年代と比較して突出した数値となっています。
一方、テレビについては年代が上がるほど視聴時間が長くなる傾向がありますが、10代・20代でも過半数が1日30分以上テレビコンテンツを視聴しており、完全にテレビ離れが進んでいるわけではないことも明らかになりました。

ワイヤレスイヤホン利用率、若年層で7割超
ワイヤレスイヤホンの利用率は若年層ほど高く、10代の73.7%、20代の65.3%が月1回以上ワイヤレスイヤホンを利用していることが分かりました。一方、50代以上では半数近くが「持っていない」と回答しており、年代間で大きな差が見られます。
ワイヤレスイヤホン使用中に利用されるメディアは、音楽ストリーミングと動画コンテンツが多くの割合を占めており、これは全年代に共通する傾向です。Z世代では、次いでSNSやモバイルゲームの利用率が高くなっています。

メディア業界への示唆
今回の調査結果は、メディア業界にとって重要な示唆を含んでいます。Z世代の「デジタルネイティブ」としての特性が数値として明確に表れており、幼少期からインターネットやスマートフォンが身近にある環境で育った世代の行動パターンが浮き彫りになりました。
1990年代後半から2010年代前半に生まれたZ世代は、現在の市場トレンド形成において重要な存在となっており、彼らのメディア利用実態を把握することは、これからのメディアコミュニケーションを考える上で重要なヒントになります。