マーケターの西口一希氏のWisdom Evolution Company株式会社ーは、マーケティング実務者を支援するAI LINEボット「AI西口一希」の提供を開始しました。同社が運営する「Wisdom-Beta」の会員向けに、当面の間無料で提供されます。
ネット情報の誤りと実務者の孤独感に対応
開発の背景について西口氏は「マーケティングには物理や化学のような普遍的な法則がなく、営業目的だけのマーケティング情報や短期的な手法が無限に拡大し続け、ネット内の情報には多くの間違いや誤解が含まれており、生成AIから直接得られる情報も、その問題を抱えています」と語ります。
専門用語の難解さ、ネット情報の間違いや誤解、組織内での理解や指導者不在のまま実務担当する孤独感など、マーケティングの現場は常に多くの課題に直面しています。同社はこうした課題に向き合うマーケターの一助となるべく、実務に基づいた正しい「知識」を即座に提供できるAIボットを開発しました。
西口氏の著書7冊と数千の専門用語を学習
本ボットは、西口氏が精査し再編集したマーケティングの基礎知識に加え、自身の著書7冊を最新の情報で再構成した内容、数千語に及ぶマーケティング専門用語とその事例のデータベースを学習しています。単なる用語解説にとどまらず、実務をベースにした具体的な質疑応答が可能です。
主な特徴として、一般的なマーケティング知識に加え、西口氏が提唱してきた「N1分析」「5segs」「9segs」といったフレームワークや、マーケティングに関わる経営的な視点についても回答できます。
また、毎週「AI西口」が最新メッセージや生成AIを活用したインフォグラフィックを投稿し、その投稿に対して返信することで、会話形式での学びを深めることができます。データベースは毎月増強され、最新の正しい情報に基づいて必要な加筆修正、具体事例の追加を行い、継続的に知識と知恵をアップデートします。
## 利用方法と今後の展望
利用には「Wisdom-Beta」への会員登録(無料)が必要です。登録後に届くウェルカムメール、または会員向けニュースレターにて案内されるリンクから、LINEアカウントを連携して利用できます。
現在はベータ版としてLINE上での提供となりますが、今後は他のプラットフォームへの展開も見据えています。将来的には、現在の20倍以上のデータベースにAIを実装した「Wisdom AI」として、音声や動画も扱えるマルチモーダルなAIサービスへと進化させる計画です。
マーケティング実務者が直面する情報の質の問題と孤独感という課題に対し、実務経験に基づいた信頼性の高い知識を24時間提供する本サービスは、メディアビジネスの観点からも注目されます。正確な情報提供という価値を軸に、無料提供から有料サービスへの移行、さらにはマルチモーダルAIへの進化というロードマップを描いているということです。
