ボストン コンサルティング グループ(BCG)は、日本全国の15歳から69歳までのメディア利用者3,717人を対象に実施した「2025年度メディア消費者行動調査」の結果を公表しました。調査期間は2025年12月15日から22日で、インターネットを通じて実施されています。
調査によると、1日当たりのメディア総視聴時間(テレビ、SVOD、AVOD、SNSの合計)は4.1時間となり、2024年度の4.4時間から減少に転じました。2022年度の調査開始以来、約4時間半で安定的に推移してきた総視聴時間が初めて減少した形です。
その背景として、タイムパフォーマンス(タイパ)を重視する行動の定着と、生成AIの普及による情報取得経路の変化が挙げられています。従来の受動的なメディア接触から、より選択的・能動的なコンテンツ消費へのシフトが進んでいるとのことです。
メディア別ではテレビ視聴時間の減少が顕著で、2022年度の1.9時間から今回調査では1.5時間へと縮小しました。この傾向は若年層に限らず全世代で見られます。SVODやAVODの利用理由としても「隙間時間での視聴」や「倍速再生」など効率性を重視する点が挙げられました。
ジャンル別では、従来テレビの強みとされていたドラマやニュースの視聴割合が大きく減少しています。視聴先がSVOD等へ移行しただけでなく、ドラマやニュースの視聴者数自体が減少しているとの分析です。テレビニュースへの信頼も昨年低下して以降回復しておらず、低水準のまま推移しています。


スポーツ分野では、2026年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)がSVODサービスで独占配信されることが話題となるなど、主要コンテンツのテレビ離れが進行しています。
情報取得行動の面では、生成AIを通じた情報取得が普及しており、特に若年層で調べものや情報整理にAIを活用する傾向が強まっています。AIを利用する消費者はSNS・SVOD・AVODの視聴時間が長く、テレビの視聴時間が短い傾向があるとのことです。
デバイス別ではスマートフォンが引き続き中心ですが、本・雑誌・新聞といった紙媒体を好む傾向も見られ、利用率は底堅く推移しています。用途に応じた使い分けが進んでいるといえます。
調査を担当したBCG東京オフィスのパートナー黒川あやか氏は、メディア企業にとって信頼性の確保に加え、限られた時間の中で価値あるコンテンツを届ける方法や、AIを含む新たな情報流通構造の中でのポジション確立が重要な課題になるとコメントしています。




